にゃんこは何歳から老後だろう?

にゃんこは何歳から老後だろう?

老化の兆候は10歳くらいから
にゃんこの寿命は延びています。
17~18歳のにゃんこもめずらしくなくなりました。
でも若く思えるにゃんこも、内臓器官など体の老化は確実に進んでいます。
老化によって体の機能が低下してくるにつれて、病気への抵抗力も落ちます。
慢性の病気の症状が進んだり、偏食などによる障害が年をとるにつれて現れてくることもあります。
定期的に健康チェックを受けさせましょう。

老化ってどうなるの?
早いにゃんこだと8歳ごろから、多くのにゃんこは10歳を過ぎると、体全体の機能が衰え始めます。
老化の兆しは、目や鼻、皮膚や被毛、歯など体のあらゆるところに現れてきます。

にゃんこの老化のサイン
目やにが出やすくなる
目や鼻はにゃんこの体調が現れやすい場所。
注意してあげて。

皮膚にうるおいがなくなる・被毛のツヤが悪くなる
栄養不足やホルモンのバランスの崩れから、髪がパサついたり、抜け毛が増えます。
ブラッシングをして、皮膚をやさしく刺激してあげて。

虫歯・歯が抜けやすくなる
虫歯や歯周病、歯肉炎が起きやすいので、歯垢をまめにとって歯石を予防。
よだれも出やすくなるので注意。

爪が伸びる
爪とぎも億劫がってしなくなるので、定期的に爪切りを。

慢性便秘
腸の働きが鈍り、消化吸収機能が低下。
さらに運動量も少なくなるので、便秘気味になります。

排尿異常
腎臓病や糖尿病が原因で尿が多くなる場合や、膀胱の括約筋の衰弱などが原因でトイレ以外の場所で尿が出てしまうことがあります。

体温調節機能が衰える
暑い時期や寒い時期には、とくに室温調節に注意が必要。

動作が鈍くなる
筋肉機能が低下するので、じゃれて遊んだり、動いたりするのを嫌がるように。

眠っていることが多くなる
むだなエネルギーを使わないよう、1日の大半を眠ってすごします。

脳神経系統の衰え
外からの刺激に対する反応が鈍くなります。
視力や聴力も衰えて脅えることも。

シニアにゃんこにおきやすい病気
腎臓病(慢性腎不全)
どんな病気?
腎臓の機能が徐々に破壊されて老廃物を体外へ排出するする機能が低下し、さまざまな症状が出る病気。
腎臓の4分の3が破壊された状態になって初めて気づきます。

症状
症状に気づくころにはかなり進んでいるのが特徴。
多飲多尿で、体重が減少してきたら危険信号。
さらに進むと、食欲不振、脱水、口内炎、貧血の症状が出ることも。

治療
食事療法が有効。
腎臓の負担を軽くするために、タンパク質を制限した治療用フードを症状に合わせて与えます。

予防
新鮮な水を自由に飲めるよう用意。
定期的な健康診断を受けて早期発見することが大切。
適切な食事管理とストレスを与えない生活をさせることで、病気の進行を遅らせることが可能。

下部尿路疾患
どんな病気?
にゃんこの泌尿器を侵す病気。
尿道に尿結石ができて尿道がふさがり、膀胱炎や尿道炎を起こす病気で、完全に閉塞状態になると、尿毒症を起こすこともあります。

症状
血尿が出たり、排尿の姿勢を長くとっているのに、尿が少量しか出ないなどが症状です。

治療
尿結石治療用のフードを与えて、水分を飲ませます。
つまった結石を移動させたり、取り除く治療を行います。

予防
尿が出にくい、血尿が出るなどの兆候を感じたら、すぐに尿検査を受けましょう。

下部尿路疾患に効果があるツボ
膀胱家(ぼうこうゆ)
腰骨の先端あたりにあるツボのことです。

心筋症
どんな病気?
血液の循環をつかさどる心臓の壁をつくる筋肉に異常が起きる病気。

症状
呼吸困難になりやすい、ハーバーする、舌の色が紫色になる、後ろ足がふらつくなどが兆候。
わんこのように口をあけてハーバーするようになったらかなり注意が必要。
血液検査や心電図、レントゲン検査で診断可能。

予防
歩き方など、少しでもおかしいと思ったら、健診を受けること。

糖尿病
どんな病気?
体内の血糖値をつくるインスリンホルモンが減少したり、なんらかの理由で効かなくなることによって、血糖値が上がる病気です。

初期は食欲が旺盛で、水をたくさん飲み多尿に。
しだいに食べているのにやせてきて、脱水症状を起こします。
悪化すると、嘔吐、皮膚や粘膜が黄疸で黄色くなることも。

治療
インスリン注射による治療と平行して、繊維質を多く含む療法食を使って徐々にカロリーコントロールをします。

予防
遺伝的要因が大きいのですが、肥満やストレスなど、インスリン効果が阻害されることにより起きることが多いので、肥満やストレスには要注意。

ガン
にゃんこも人間と同じように、皮膚や乳腺、口腔などあらゆる部位に腫瘍ができます。
にゃんこの腫瘍はガンの確率が高く、ほとんどの場合悪性です。
外見で見えたり、触診できる部位は、早期発見できるので、ふだんから体にタッチして異常がないか観察しましょう。

乳腺ガン
どんな病気?
乳腺腫瘍は10歳以上のメスにゃんこが多くかかる病気。
90%が悪性腫瘍(ガン)であると言われています。

症状
乳腺内に小さなしこりができ、大きくなると硬くなり、皮膚をつき破って出血します。
この状態まで悪化していると、腹部や肺に転移していることがあります。

予防
時々にゃんこの体に触れ、乳房の回りにしこりがないかどうかチェックします。

扁平上皮ガン
どんな病気?
日光の刺激が原因で、白いにゃんこの耳や鼻、皮膚などにできるガンの一種。

症状
目や鼻や耳の縁が赤くなり、出血することも。
最初はただれた皮膚炎のように見えますが、進行すると耳の先の部分が欠けてしまいます。
早期に発見してすぐに患部を切除することが大切です。
切除がむずかしい場所では、機能障害が起きる可能性もあります。

予防
けんかの傷だと思って見過ごさず、病院で検査を受けましょう。

猫かぜ
猫ウイルス性鼻気管炎
どんな病気?
猫ヘルペスウイルスによっておこる病気で、強い伝染力があり、他のウイルスや細菌と混合感染で重い症状となり、死亡することもあります。

症状
ひどいクシャミ、咳、鼻水、目やになど。高熱で食欲がなくなります。

予防
三種混合ワクチンの接種である程度予防できます。

猫カリシウイルス感染症
どんな病気?
かかりはじめは猫ウイルス性鼻気管炎によく似ていますが、鼻気管炎よりは軽い症状です。

症状
クシャミ、鼻水、発熱などのほか、下痢や口内炎などが現れます。
ときには急性の肺炎で死亡することもあります。

予防
三種混合ワクチンの接種である程度予防できます。

猫かぜに効くツボ
大椎(だいつい)
肩甲骨(右)と肩甲骨(左)の間にあるくぼみより1~2センチほど前にあるツボを人差し指で軽く指圧します。

虫歯
虫歯は根元から進行します。
そのため歯石に隠れていて知らずにひどくなっていることがあります。
痛みがひどくて食事ができなくなることもあるので、早期に発見し、治療することが大切です。

歯周病
どんな病気?
歯の周囲の組織の病気。
歯肉炎、歯槽膿漏などを言います。
治療をしないと進行し、歯が抜け落ちます。
6歳以上になると、多くのにゃんこに歯周病が存在しているといわれます。

症状
歯茎が腫れたり、歯が抜けたりするだけでなく、歯が抜けた後も病気が進行し、糖尿病や細菌性腎盂腎炎(さいきんせい・じんうじんえん)の引き金となることも。

治療
歯石を除去し、再発を予防します。

予防
歯磨き、歯石除去など、口腔内のケアを行います。

ネコから人にうつる主な病気

回虫症
感染の仕方
回虫症は回虫の卵を含むうんちに汚染された砂場の砂などをさわることによって口から感染。
人間の主な症状
肝臓の腫れ、発熱、視力低下~失明、抗酸性肉芽腫

鉤虫症
感染の仕方
鉤虫の幼虫が皮膚や毛穴などから体内に侵入
人間の主な症状
皮膚のミミズ腫れ、激しいかゆみ

ノミアレルギー性皮膚炎
感染の仕方
にゃんこの体に直接さわって感染
人間の主な症状
かゆみ、皮膚炎

ダニ症(カイセン症)
感染の仕方
にゃんこの体に直接さわって感染
人間の主な症状
かゆみ、丘疹、皮膚

トキソプラズマ症
感染の仕方
原虫の卵を含むうんちに汚染された砂場の砂などをさわることによって口から感染
人間の主な症状
リンパ節炎、脈絡網膜炎、流産・死産(妊婦)など

咬傷
感染の仕方
にゃんこにかまれた傷口から感染
人間の主な症状
創傷、化膿

カンピロバクター症
感染の仕方
うんちで汚染された食品などを介して細菌が口から侵入。
人間の主な症状
下痢、急性腸炎などの食中毒症状

サルモネラ症
感染の仕方
うんちで汚染された食品などを介して細菌が口から侵入
人間の主な症状
下痢、急性腸炎などの食中毒症状

パスツレラ症
感染の仕方
ひっかき傷、咬傷、空気感染、エサの口うつし
人間の主な症状
創傷、リンパ節の腫れ、骨髄炎、髄膜炎、敗血症

猫ひっかき病
感染の仕方
ひっかき傷、咬傷、ノミによる刺し傷
人間の主な症状
発熱、リンパ節の腫れ、

皮膚糸状菌症
感染の仕方
にゃんこの体に直接さわって感染
人間の主な症状
発疹、皮膚炎

ハクセン症
感染の仕方
にゃんこの体に直接さわって感染
人間の主な症状
頭部ハクセン(しらくも)

にゃんこの体力低下
老化による体力の低下に合わせて、にゃんこの生活は変わってきます。

筋肉や体の機能が低下
じゃれたり、遊んだりが少なくなります。
動いたりするのをおっくうがったり、高いところに上れなくなることも。
1日の多くの時間を眠ってすごします。
眠ってばかりで動きたがらなくても、声をかけたり、疲れない程度に遊んであげることが大切。
少しでも動けば、食欲も元気も出ます。

視力や聴力、体力も低下
周囲の動きに対する反応が鈍くなり、風邪をひいたり、病気にかかりやすくなります。

ぼけ・痴呆
ごはんを食べたばかりなのにまたすぐにほしがったり、トイレの場所を忘れてトイレ以外の場所で排泄したりすることがあります。
しかし、にゃんこの場合は、人間と同じようなぼけの状態ではなく、病気が原因のことも多いようです。

にゃんこの体温調節
砂漠で暮らしていたにゃんこは暑さに強い動物ですが、老化とともに体温調節の機能も低下してきます。
留守をするときは、注意が必要。
長時間締め切った室内で留守番をさせると、熱中症になることもあります。
しかし、室温の下げすぎも要注意です。
クーラーをドライにしておくのがベター。
冬は寒すぎないように、使い捨てカイロなどをタオルにくるんで置いておくなどの工夫を。
外出自由にしているにゃんこの場合は、夏の熱い時期や冬の寒い時期や雨や雪の日には外へ出さないようにしましょう。

対処法
早期発見・早期治療は定期健康診断から
シニアにゃんこは、病気にかかりやすくなります。
10歳を過ぎたら、4カ月から半年に1回、定期的に獣医さんの健康診断を受けましょう。
病気を早期に発見して治療ができるだけでなく、毎日の生活や病気の予防策についてアドバイスが受けられます。

毎日の健康状態をチェックしておくことが大切
体温のはかり方
にゃんこの平熱は38~39度。
体温は人間用のデジタル体温計を肛門の中に入れてはかります。

脈拍のはかり方
にゃんこの脈拍は1分間に100~160回。
子にゃんこはそれよりやや多めです。
脈拍は内股のあたりに手をあててはかります。

シニアにゃんこの食事
シニアの病気は、若いころからの偏食が原因となることも。
やわらかい缶詰ばかり食べていると、歯垢がたまりやすく、歯肉炎の引き金になります。
にゃんこの栄養バランスを考えた食事を与えましょう。

量を減らして、食事回数は多めに
シニアになると消化吸収能力が低下するので、1度にたくさんの量は食べられなくなります。
1回の量を少なめにして、1日4~5回に分けて与えるようにしましょう。

腎不全を考えた食事管理と良質のタンパク質を適量に
シニアの多くは慢性腎不全の傾向があります。
人間の食事の味付けはにゃんこにとっては塩分過多。
腎臓や心臓に負担をかけるので注意が必要です。
また、タンパク質の過剰摂取は腎臓に負担をかけるので、注意が必要です。
高タンパク質の食事ではなく、良質なタンパク質を適量に与えます。
その分を脂肪と炭水化物でエネルギー補給します。

不足した栄養分の補福と花酒専用フードを利用する
カルシウムの吸収力が落ちて、骨が弱くなったり、ビタミンの吸収が落ちています。
カルシウムやビタミンの補給が必要な場合もあります。
バランスがとれた食事を手作りするのは大変。
その点老猫用のフードは、シニアのカロリー消費や栄養バランスを十分に考えて作られているので安心。

食べやすい状態に工夫し、水は多めに補給
歯や歯茎が弱っていて、硬いものが食べられないことも。
細かくしたり、ふやかしてやわらかくしたり、食べやすい状態にしてあげましょう。
水をあまり飲まないと、脱水症状を起こすことがあります。
いつも新鮮な水を用意してあげて。
食事の水分を少し多めにすると、便秘の解消にも。

肥満にさせない
年をとって動きが少なくなるため、エネルギー消費が少なくなり、カロリ一の必要量が減ります。
高カロリーの食事をたくさん食べさせていると、肥満が心配です。
肥満は万病のもと。
太る場合は、今まで食べていた食事量の8割程度に少しずつ減らしていきましょう。
急に食事量を減らすと、欲求不満を感じることがあるので注意します。

にゃんこに癒される
アニマルセラピー
にゃんこと一緒にいると、なんとなく気持ちが和らぎます。
にゃんこは人間を和ませてくれるだけでなく、癒してくれます。
にゃんことの暮らしは、人間に多くのものを与えてくれます。
でも人間だけが一方的に一緒に暮らすにゃんこに癒しを求めては、にゃんこはストレスを感じます。
人間もにゃんこを癒して、お互いに自然にリラックスできる関係にしたいもの。
アニマル・ヒーリング効果です。

アニマルセラピー
欧米で始まった、「動物介在療法」のこと。
動物の癒し効果によって病気の症状などを緩和させる治療法を言う。

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