にゃんこの体調の変化

にゃんこの体調の変化
にゃんこの日ごろの健康状態や生活リズム、行動などをしっかり知っていると、いざというときに体調の変化に敏感に気づくことができます。
しかし病気の早期発見は大切なことですが、飼い主の自己判断は絶対に危険です。
獣医さんににゃんこの体調の変化を伝えて、相談しましょう。
元気で食欲があるのにやせてきたら、腎臓病などの心配も。
こまめに体重をはかっておくと、体重の変化に敏感に気づきます。
肥満は、病気につながる可能性が大。
皮膚病、心臓病、肝臓病、糖尿病などにかかりやすくなります。

食欲がない
食欲は、病気をチェックする大切なサインです。
とくに複数飼いをしている場合は、1頭ごとの食事量を正確にチェックできないことがあるので注意しましょう。
暑い時期や発情期は食欲が落ちることがあります。
長く続く場合は、獣医さんの診察を受けるましょう。

嘔吐する
にゃんこはわりと吐きやすい動物です。
草を食べて、食べ過ぎたものを吐き出したり、胃の中にたまった毛玉を吐いたりします。
しかし激しく吐いたり、胃液のような液体だけを吐き続けるような状態が続いたら病気の兆候ですから、診察してもらいましょう。

毛が抜ける
異常に毛が抜けるときは、病気の可能性があります。
かゆい場所を集中的になめているときは、カビによる皮膚病や外部寄生虫の疑いが、かさぶたがあるかどうかもチェックしてみます。

目やに
結膜炎や角炎などの目の病気だけでなく、伝染性疾患のときも目やにが多くでます。
目やにがたくさん出ているときや、黄色い目やにのときは治療が必要です。
目やには風邪に伴うこともあります。

浅くて早い呼吸
健康なにゃんこなら呼吸は静か。
体温調節をするためにハアハアしたりすることがありますが、一過性なので病気ではないでしょう。
口をあけてハッハッハと苦しそうな呼吸をするときは、肺炎や肺水腫、胸腔に水がたまっている可能性があります。
じっとうずくまるときは、呼吸困難の前ぶれです。
リンパ腫や膿胸、肋骨の骨折などが考えられます。
急いで診察してもらう必要があります。
異常を発見したときに手遅れにならないよう、日ごろから呼吸の状態に注意しましょう。


咳だけが出るときは、アレルギーによる喘息が考えられます、熱や鼻水を伴うときは、ウイルスによる風邪の可能性があります。

頭を振る
耳ダニがいてかゆいとき、神経的な病気がある場合、何度となく頭をブルブルと振ります。
神経性疾患の可能性もあるので、注意が必要です。

うずくまって動かない
食欲もなく、丸くうずくまって動かないときは、病気のサイン。
嘔吐や発熱、便や尿にも異常があったら急いで病院へ。

けいれん
ショックやてんかんなどが原因で、けいれんの発作を起こすことがあります。
1~2分で治まることが多いので、絶対に動かしたり、さわらないようにしましょう。
けいれんは、毒物中毒や脳腫瘍、肝臓病、心臓病などの疑いもあります。

歩き方が異常
足をひきずるのは、関節の痛みや骨折、神経の異常などが原因として考えられます。
麻痺や運動障害の場合は、脊椎の損傷の疑いがあります。
動くと痛がる、立てない、歩くとよろけるなどの症状があったら、すぐに病院へ連れていきましょう。
また心臓疾患が原因で、後ろ足がふらついたり、引きずったりすることがあります。

下半身の麻痺に効くツボ
百会(ひゃくえ)
腰の一番広いところと背骨が交差した部分の少しくぼんだところにあります。
座骨神経痛や子宮内膜炎にも効果があります。

高熱・微熱
健康なにゃんこの平熱は、38~39℃。
子にゃんこはそれより少し高めです。
にゃんこの体温は人間のように幅が広くないので、40℃以上あったら高熱を出していることになります。
すぐ病院へ連れていきましょう。
高熱の原因はさまざまですが、細菌や猫免疫不全ウイルスなどの感染症にかかっている可能性もあります。
元気がないときは、微熱があることも。
体のどこかが化膿している場合は、一時的に体温が上がってもすぐに平熱に戻るので、見逃さないように注意が必要です。

体温が下がる
にゃんこの場合、低体温になるのは危険な状態のときです。
エネルギー源の不足、代謝に問題があるか、病気の末期症状などが考えられます。

にゃんこの腹部チェック
おなかにさわると嫌がる場合は、外傷だけでなく、病気が隠れている可能性があります。

おなかにしこりがある
乳房に豆状のしこりがあって、痛がらない場合は、乳腺腫症(乳ガン)の可能性が。
黄色脂肪症の場合も、おなかにデコボコの脂肪ができます。

おなかを痛がる。
尿道結石があると、下腹部が硬くなっています。
さわると痛がります。便秘がひどい場合も、おなかが硬くなっています。

おなかがふくれている
子宮に膿がたまる子宮蓄膿症や伝染性腹膜炎などにより、臓器が肥大したり、水がたまっている疑いがあります。

外傷
外へ出しているにゃんこの場合、さわって痛がるときは、傷が化膿していることも。
傷を放置しておくと、皮下腫瘍になります。

にゃんこのおしっこ・うんちで健康チェック
おしっこ・うんち
にゃんこの体格や体重、食事の内容によって変わりますが、1日の平均的な排尿量は100ccから150ccくらい。
排尿の回数は、2~3回です。
おしっこが出ないとき、尿の回数が多いとき、血尿が出るなどの症状があるときは、下部尿路疾患、尿結石症、膀胱炎、腎不全などの病気を疑います。
排便は、1日に1回なくても、2日に1回あれば心配しなくてもよいでしょう。
下腹部に触れてごろごろし便がたまっているように感じるときは診察が必要です。
尿や便の検査は安価で多くの病気がわかるので、定期的に受けるようにしましょう。

①便秘
カルシウム欠乏症になると、便秘がちになります。
にゃんこがなめた毛玉が胃の中で固まって吐き出せない、毛球症(ヘアボール)や腸閉塞の可能性も。

②回数が多く、下痢便
過食による消化不良、ウイルス性疾患、食中毒などさまざまな原因で起こります。

③便の色で病気をチェック
赤っぽい→出血があるときは、出血性腸炎、腫瘍などを疑います。
黄色っぽい→植物性食物が多い食事をしているとき。
灰色っぽい→カルシウム分の与え過ぎ、胆汁の分泌障害。

にゃんこのボディチェック

目が充血していないか。
目やにが多くないかなどをチェック。
目の表面が白くなっている場合は角膜炎、目の中が白くなっている場合は、虹彩炎の疑いがあります。
瞬膜(目頭に出る白い膜)は、にゃんこの体調がよくないときに出ることが多いので、健康チェックの手がかりになります。


鼻炎になると、鼻水が出ます。
膿状の液体が出るときは、化膿性の鼻炎を起こしている疑いがあります。
にゃんこは起きているときは鼻が湿っていますが、眠っているときは鼻の頭が乾いています。
起きているときに鼻が乾いているときは、注意が必要。
伝染性呼吸器疾患、熱性疾患など高い熱が出る病気の可能性があります。


耳をさわるといやがるとき、耳の中がただれてくさいときは、外耳炎や内耳炎を疑います。
耳をさかんに振ったり、掻いたりしているとき、さらに耳の中に黒い耳アカを見つけたら、目ダニが寄生する耳疥癬(じかいせん)の可能性が。
他のにゃんこに感染するので、すぐに診察を受けましょう。


口の中をのぞいて、歯茎の色や状態、虫歯や歯石をチェックします。
口臭が強いときは、口内炎や歯周病の疑いがあります。
よだれがたくさん出るときは、伝染性疾患の初期症状の可能性も。

ツメ
にゃんこはツメをとぐしぐさをしながら、前足の古いツメをはがしています。
後ろ足のツメは、口ではがしています。
ツメは本来はケアの必要はありませんが、老猫になると、口ではがすことができなくなるので、伸びたツメが肉球に食い込んで化膿してしまうことがあります。
にゃんこ用の爪きりで切ってあげましょう。

皮膚
異常にグルーミングするときは、皮膚病や寄生虫などの原因が考えられます。
またアレルギー、ホルモン異常などが原因で毛が抜けてしまうことがあります。

毛並み
毛のつやは体調を表します。
つやがなかったり、パサパサしているのは、毛づくろいができていない証拠。
病気や栄養不良が考えられます。


おとなのオスのにゃんこは頬が張り出してきますが、去勢をすると幼猫の顔にもどります。

足の裏
足の裏には多くの筋肉や腱が集中。
汗腺があるのもにゃんこの特長です。
肉球は歩いたり跳んだりするときにクッションの役目を果たします。
外へ出るにゃんこの場合は、何かが刺さって怪我をしたり、熱さでやけど気味になることがあります。


しっぽや骨盤、腰のあたりをさわると痛がる場合は、腰椎の病気が考えられます。
また、尿道がつまっている時も腰を触られるのを極端にいやがることがあります。

肛門
肛門に小さな粒がついていたら要注意。
にゃんこの体内で栄養を摂取している寄生虫です。
寄生されると、栄養障害、貧血、下痢、神経障害などいろいろな病気を起こします。
獣医さんで調べてもらって、駆虫剤をもらいましょう。
おしりを床にこすりつけたり、肛門をなめていたらかゆみがあるのかも。
肛門の奥にある直腸に問題があることもあるので、診察してもらいましょう。

生殖器
生殖器や乳首から血の混じった液やミルク色の分泌物などが出たり、しこりを感じたら注意が必要です。
乳腺が張っているときは、乳腺炎か乳腺ガンの疑いがあります。
さわってみてしこりがないかどうかチェックしましょう。
メスで異常な出血や膿が出たりする場合は、卵巣や子宮の病気がひそんでいることがあります。

元気の出るツボ
中院(ちゅうかん)
みぞおちとおヘソの中間にあるツボです。
2本指で「の」の字を描くように円マッサージ。
ストレス太りのダイエットに効果があります。

後海(こうかい)
お尻の穴と尻尾の付け根の間を、上斜め前方に押し上げます。
体力をつけ、腎炎や胃腸炎にも効果があります。

曲池(きょくち)
ひじを曲げてしわが寄るところのいちばん外側。
親指と人差し指ではさんでもむようにします。
肩こりやストレスに効果があります。

去勢手術
去勢手術や不妊手術を受けさせるかどうかは、にゃんこを飼うと必ず直面する問題です。
とくに放し飼いにしているにゃんこの場合は、去勢手術は飼い主の基本的なマナーです。

受ける時期
オスが発情するのは生後8カ月ごろから。
スプレー行為をするようになってからが目安です。
去勢手術は、にゃんこの体から睾丸を摘します。
感染症を防ぐために、ワクチン接種は事前に済ませておきましょう。

手術について
手術は比較的簡単で、入院の必要がない病院もあります。
電話で予約をして、当日は食事をさせずに連れていきます。
費用は地域や病院によって違いますが、1万5千円から2万円くらい。
行政から手術費用に援助が出る地域もあります。
自治体に問い合わせてみましょう。
費用については予約をする前に獣医さんに聞いておくと安心です。

不妊手術
受ける時期
メスの性成熟の時期はオスより早く、生後6カ月から10カ月ごろです。
1回目の発情期が来てから手術を受けたほうが、成長の上で問題がないといわれています。
感染症を防ぐために、ワクチン接種を済ませておきましょう。

手術について
開腹手術で卵巣と子宮を摘出します。
入院は不要という病院や、2~3日の入院が必要という病院もあります。
抜糸まで1週間程度かかります。
費用は去勢手術より高く、3万円から4万円くらい。
手術費用に援助金が出る地域もありますから確認してください。

心配な点
オスもメスも手術の後には、太りやすくなるので、食事管理に注意しましよう。
オスらしく、メスらしくという性的な違いがあいまいになります。

埋め込み式の避妊プラント
埋め込み式の避妊プラントがあります。
にゃんこの首のところの皮膚を切開して埋め込みます。
有効期間は1年なので、避妊状態を続けたい場合は1年毎に取り替える必要があります。

季節ごとのチェック

抜け毛が多くなる季節なので、こまめなブラッシングを。
暑さに向けてノミ・ダニ対策もはじめましょう。
ノミ取り用コームでこまめなケアを。


留守番をさせるときは、部屋の換気対策が必要。
熱中症になることも。
クーラーによる冷やしすぎもにゃんこは苦手。
食事の衛生管理にも要注意。


にゃんこには過ごしやすい季節。
体調を整えて冬に向かわせたいもの。
感染症には1年を通して注意しましょう。


寒さに弱いので、部屋が冷えすぎないように室内温度を調節。
外飼いの場合は、屋外に出したままにしないようにしましょう。

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