にゃんこの獣医さんの選び方

にゃんこの獣医さんの選び方

信頼できるホームドクターをみつける
大切な人生のパートナー、にゃんこには、元気で長生きをしてほしいもの。
急な病気や怪我のときにあわてないように、信頼できるホームドクターをみつけて、お付き合いしておくことが大切です。
どういう獣医さんが「よい獣医さん」と考えるかは、人それぞれで違います。
診察以前の問題として、動物をていねいに扱い、動物に注ぐまなざしがあたたかいところを選びたいもの。
いくら手際がよくても、動物の扱い方が乱暴な獣医さんは避けたいものです。
最近はにゃんこ専門の病院もあります。
でも一番大切なのは、あなたのにゃんこの命を大切に考えて、全力で治療にあたってくれることではないでしょうか。
にゃんこの診療が得意な獣医さんが見つかるとよいですね。

よい獣医さんを見分けるポイントは
診察内容をきちんと説明してくれる先生ですか?
治療や検査の方法から薬の内容まできちんと説明してくれるのが基本。
診察料金も明解なら、なお、ベター。

あなたの話をきちんと聞いてくれますか?
病状の他、にゃんこの性質も理解していなければ的確な治療はできません。
話を聞いて誠実なアドバイスをしてくれるなら安心。

診察室などは、衛生的に保たれていますか?
衛生管理が行き届いていることが重要。
病院は衛生的であるべき場所。
診察室が明るく清潔に見えることも大切。

飼い主から見て人間的に信頼できる先生ですか?
十分な時間をとって診察し、診断、治療方法、使う薬の作用・副作用などをきちんと話してくれるなら安心です。

あなたとの相性はいかがですか?
どんなに評判のよい先生でも、あなたと相性が合わなければ治療に必要な連携プレーが持ちにくいものです。

夜間や休日でも対応してくれますか?
どんなにすばらしい設備や技術があっても、緊急の時に連絡がつかないようではいい病院とは言えません。

獣医さんやスタッフに安心感がありますか?
獣医さんやスタッフに向上心があって勉強しているか、愛情を持って接してくれているかどうかは雰囲気ですぐわかります。

医療オンリーか? VS 健康管理までみてくれるのか?
にゃんこの病気を防ぐには、やはり毎日の健康管理が大切です。
医療設備が充実していて、新しい医療技術で病気を治してくれることも、もちろん必要です。
しかしホームドクターを選ぶときには、病気や怪我の治店だけでなく、にゃんこの体や心の健康管理を重視するところを選びたいもの。
高度な医療が必要な場合は、症状に合わせて専門医や専門病院を紹介してくれるような、地域のネットワークをきちんと持っている獣医さんが安心です。

ご近所さんに聞いてみよう
ネコを新しく飼ったり、引っ越して来たりで、獣医さん選びに迷っているときは、ご近所でにゃんこを飼っている人を探して、獣医さんの評判を聞いていてみましょう。
おすすめです。
口コミ情報は生の声なので、とても貴重。
獣医さん選びに役立ちます。

どこの獣医さんに通っている?
設備やスタッフはどお?
先生はどんなタイプ?
飼い主の話をきちんと聞いてくれる?
他の獣医さん情報は?

治療代・設備・急患
治療代は?
ペットの治療は自由診療なので、高額な費用がかかることもあります。
ペットのための保険が登場してきましたが、加入率はまだ低いようです。
獣医さんによって費用に差があるので、治療代の違いを判断するためには混合ワクチンの料金や不妊・去勢手術の料金を聞いてみるとよいでしょう。

設備は? 緊急時の対応は?
レントゲンや血液検査の設備があるかどうか、入院設備は充実しているかなど、設備についても実際に診てもらっている人から情報を得ておきましょう。
昼間診てもらっていても、ネコの症状が急変することがあります。
緊急の時にどう対応してくれるのか確認してみましょう。
往診や時間外診療にも柔軟に対応してくれるところが安心です。

飼い主の立場に立ってくれる信頼できる獣医さん
にゃんこは、自分で病状を説明することができません。
病気を治すためには、飼い主と獣医さんの共同作業が必須です。
飼い主の立場に立って考えてくれるのが、信頼できる獣医さんといえます。
診断結果や治療方法はプロに任せていればよい、素人に説明する必要はない、口出ししないで…という態度の獣医さんは、飼い主に信頼される基本的要素を放棄しているといわざるをえません。
飼い主と同じ目線で最良の治療をしてくれる獣医さんを選びましょう。
診察の結果、治療の方法と見通し、治療にかかるおおまかな費用をクリアに表示してくれる獣医さんを選びたいものです。
治療については、飼い主の意見や予算をはっきり伝えておくことがトラブルを避ける秘訣です。
治療に疑問を感じたり、獣医さんの誠意のない態度に不信感を感じたりしたときは、にゃんこのために病院を変える勇気が必要です。

かしこい飼い主になるためにまずは行ってみる
ご近所から獣医さんの情報を集めて検討したら、まずは病気になる前に評判のよい獣医さんに行ってみましょう。
「よい獣医さん」の感じ方は飼い主によって違いますし、飼い主との相性もあります。
健康相談や予防接種、ノミ予防の薬を買いに行くなどして、ネコの健康なときに信頼できる獣医さんかどうか判断してみます。

動物病院にいくときの飼い主の心得
○飼い主自身が診察に付き添う
○必ずケージや洗濯ネットに入れていき、呼ばれるまで出さない
○予約時間は厳守、時間に遅れるとき、キャンセルする場合は必ず連絡
○飼い主が病気の素人判断をしない
○いつから、どこが、どんなふうにおかしいのかなどきちんと説明できるように準備していく
○おおぜいの家族で診察に付き添わない
○感染症がある場合は、事前に伝える
○便に異常がある時はフィルムケースなど水分をすわないものに入れて持っていく

にゃんこの健康相談・しつけ相談・シャンプー・グルーミング

健康相談
にゃんこが長生きするためには、病気の治療だけでなく、食事の管理が大切です。
治療のための食事だけでなく、年齢に合わせた食事管理、偏食や小食、過食の悩み、運動量についてなど、にゃんこの健康管理について相談にのってくれる獣医さんを選びたいものです。

飼い方やしつけの相談
室内飼いのしつけ、複数飼いをするときの注意、排泄のしつけやマーキングの悩みなど、にゃんこの飼い方やしつけの相談にも応じてくれるかどうか、にゃんこのしつけやトラブルについて相談に応じてくれる獣医さんだと安心です。

シャンプー・グルーミング
シャンプーやグルーミングを引き受けてくれる動物病院もあります。
長毛のにゃんこの場合でなければ、シャンプーがたびたび必要というわけではありませんが。
シャンプーやツメ切り、グルーミングをしてもらって、雰囲気を感じてみてはどうでしょうか?

獣医さんと上手くおつきあい・・信頼関係を築く。
獣医さんにも医療技術の差があるのは、人間のお医者さんと同じ。
でもその差を判断することは、飼い主にとってはとてもむずかしいもの。
とくに動物に対する倫理観なども基準に判断し、人間的に信頼できる獣医さんを選びましょう。
また飼い主の心得も大切です。
病気の早期発見・早期治療を目指している獣医さんにとって一番困るのは、具合が悪いのになかなか病院に連れていかない飼い主です。
数日様子をみていたことで、症状が急変して手遅れになることもあるのです。
獣医さんと上手におつきあいするためには、飼い主の方もきちんとマナーを守ることが大切です。

初めて行く場合電話・症状チェック
初めて行く場合は、必ず事前に電話を入れ、症状を手短かに説明しましょう。
予約が必要だったら、予約日時を決めます。
吐いたものや下痢便などをもっていったほうがよいかどうか確認します。
また、駐車場の有無をたずねておくことも必要です。
診察に行くときには、症状や日常の様子をチェックしたメモがあると役立ちます。
にゃんこの緊張をほぐしながら、連れて行くことも忘れないようにしたいものです。

動物病院へ行く前にメモしておくこと
○いつもの健康状態とくらべて、変わっているところはどこ?
○その症状が表れたのはいつから
○思い当たる原因
○自分で何か処置した場合はその内容
○食事の回数とその内容
○おしっこやうんちの回数とその状態
○嘔吐の有無
○接種したことがあるワクチンの種類と時期
○過去の怪我や病歴・持病の有無・手術歴
○去勢・避妊手術の有無
○ふだん与えている薬名など

にゃんこの予防接種
細菌には抗生物質が有効ですが、ウイルスに効く薬はないので、病気によって出てくるさまざまな症状を軽くする対症療法を行います。
ウイルスに負けないように、病気にかかる前にワクチンを接種して、事前に体内に免疫をつけておくことが必要です。
予防接種は毎年受ける必要があります。
値段は6,000円から8,000円が一般的。
生後しばらくは、母猫から受け継いだ免疫があるので、1回目の接種は、生後3カ月ごろが目安。
2回目はその1カ月後に。
その後は、1年に1度接種しておくと安心です。
生後3カ月以上のにゃんこを飼ったときは、早めに獣医さんに連れて行き、健康診断もかねて予防接種を受けさせましょう。

予防接種の種類
三種混合ワクチンに加え、猫白血病ウイルス感染症とクラミジア病の5種のワクチンがあります。

猫ウイルス性鼻気管炎
猫の鼻風邪のようなもの。
ヘルペスウイルスが病原体で人間に伝染することも。

猫カリシウイルス感染症
猫のインフルエンザ。
症状が進むと、舌や口の近くに潰傷ができます。

猫汎白血球減少症
伝染性の腸炎。
白血球が極端に減少し、嘔吐やひどい下痢に。

猫白血病ウイルス感染症
病気に対する抵抗力が弱まるため、さまざまな病気を併発しやすく、致死率が高い。

猫のクラミジア病
症状は結膜炎、目やに、軽度の鼻水、クシャミ、咳など。
ひどくなると肺炎をひきおこす。

費用の話
動物の医療は、基本的に「自由診療」なので、医療費は全額飼い主の負担になります。
治療費は、同じような病気でも動物病院によって、また地域によってかなりバラツキがあるようです。
ワクチンの料金や不妊手術、去勢手術に関しても同様です。
治療費の基準は、あってないようなものなのです。
治療費の見通しが明示されない場合は、初診の段階で治療方針や費用について質問し、相談しましょう。
獣医さんのほうでも飼い主の予算を考えながら、入院ではなく通院に切り替える、毎日の通院をすすめたいが、一日おきで様子をみましょうなどと考えてくれるはずです。
治療費に関して何も聞いていなかったのに、高額な治療費を請求されたという理由で病院に不信感を持ってしまうケースもあります。
最近ではペット保険も登場していますので、加入を検討してみるとよいでしょう。

注目を集めるペット保険
そのしくみは、人間の健康保険のように、動物の病気や怪我の治療費、入院費、手術費などが、決められた割合分保障されるというもの。
罹患率の高い皮膚病やさらに第三者を傷つけてしまったときも適用されるタイプもあります。
保険に加入している動物病院で保険治療を受けられるのはもちろんですが、未加入の動物病院で治療を受けた場合でも、全額支払った後に査定を受け、決められた割合の
治療費が支払われます。
保険に入っていれば、ペットの体調がおかしいときに、高額な費用の心配をせずに病院に連れていくことができます。

にゃんこの変化を見逃さない日頃の愛情
にゃんこが毎日を健康に過ごすためには、飼い主が毎日の健康状態をていねいに観察して、小さな変化を見逃さないことが大切です。
飼い主の愛情がにゃんこを長生きさせるかどうかにつながります。

にゃんこの健康チェック
全体をチェック
●体型の変化(太った・やせてきた)
●毛のつや
●呼吸、咳
●皮膚 (掻いていないか)
●歩き方
●目やに、鼻の湿り具合、鼻水
●嘔吐
●食欲
●排泄物(便・尿)の回数、量、形状

さわってチェック
●体温
●おなかのふくらみは
●しこり
●毛の状態
●皮膚の状態

のぞいてチェック
●舌の色、歯茎の色、歯石
●耳の中
●肛門

にゃんこの健康診断
長生きをするにゃんこが増えるにつれて、肥満や心臓病などの病気が増加しています。
栄養バランス異常、運動不足、ストレスなどの生活習慣が引き金になっています。
自分で症状を説明できないにゃんこの病気は、知らないうちに体の中で、進行し、症状が出るころにはかなり進んでいることも少なくありません。
最近では、人間ドッグのような健康診断を行っている動物病院もありますから、受けてみてはいかがでしょうか。
健康診断のメリットは、健康時のデータが残るために、具合が悪いときのデータと比較できること。
またデータの数値の動きで将来起こりそうな病気が予測できることもあります。
健康なときに受けてみるとよいでしょう

健康診断の項目
尿検査
腎臓疾患、下部尿路疾患の早期発見に大切

糞便検査
寄生虫、腸内細菌、便への出血などについて顕微鏡検査

血液検査
赤血球数、総タンパク、黄疸指数などについてチェック

心電図検査
不整脈や心臓の各部分の大きさなど心臓の状態をチェック

レントゲン検査
胸部、腹部の内臓などの疾患をチェック

超音波検査
レントゲン検査ではわかりにくい、各臓器の内部構造をチェック

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