哺乳が必要な子猫の育て方
拾った猫や、親とやむを得ず早く離れなければならなかった、生後2~3週以内のごく幼い猫は、哺乳で育てなくてはなりません。
猫用のミルクを用法の通りぬるま湯でとかし、猫用の哺乳びんを使ってください。
哺乳の回数は子猫によって違いますが、一般的には4時間おきに6回です。
1回に5ccぐらいしか飲みません。
ミルクは必ずれるま湯で湯せんします。
冷たいミルクは体温をさげて、消化に害を与えます。
元気なら自分から哺乳びんに吸いついて飲みますが、哺乳びんから飲まない時は、スポイトで少しずつ口の中に入れてあげなければなりませんが、流しこむような方法は、ミルクが気管にはいってしまうことがあり、肺に入ると肺炎になって死ぬこともあります。
無理に飲ませることはしないで、根気よく飲ませてあげてください。
離乳食の与え方
生後2~3週目を過ぎたら、離乳食を与えます。
離乳食は、すりつぶした肉や魚を猫用のミルクに混ぜて作ります。
慣れてきたら離乳食の中のミルクの量を少なくしてきます。
そして初めは指にのせてなめさせてやり、それと並行して底の浅い食器に入れて与えるようにすると、およそ1週間ほどで食器から食べることに慣れます。
どうしても、母猫のミルク以外飲もうとしないガンコな子猫もいます。
すりつぶした離乳食を右手の人差し指にほんの少しのせて、左手で子猫の上あごを開けさせ素早く口内の上あごにすりつけます。
子猫は吐き出そうとしますが、その味が自分の好きな味だとわかると食べ始めます。
全部吐き出しても、もう1回量を少なくしてくり返し、その時の味が気に入らなくて失敗に終わっても、また次の食事時間に内容をかえて同じことをくり返してみます。
母乳を一緒に飲んでいても、必ず市販されているにおいのないカルシウムを、離乳食と一緒に添加してやります。
離乳期が終わったら、そろそろおとなの猫と同じ食事をするようになり、びっくりするほどたくさんの量をほしがります。
体調さえこわさなければ、食べるだけあげてさしつかえないのですが、急激に増やすと下痢などを起こすので注意を。
離乳からおとな猫までの間の食事
その後の食生活を左右する大事な時期です
食事回数は1日3回!
キャットフードや魚だけでなく肉類や乳製品や米などいろいろなものを食べさせるようにする。
煮干しなども歯の健康によい
一子猫の成長過程一
体重 : その他
出生時
2~4日目
70~110g
1日58g以上増えてれば安心
母乳、人工哺乳
1日4~5回
へその緒がとれる
大きい子、小さい子の区別ができる
1週間
約200g
目が開く
2週間
約300g
目が見えはじめる
歩きはじめる
3週間
ミルクと並行して離乳食へ
1日1~2回
乳歯がはえはじめ耳がピンとしてくる
トイレを使いはじめる
1ヵ月
約600g
完全離乳食へ.1日4~5 回
2ヵ月
約1kg
子防接種を受ける
– 離乳食の作り方と与え方
・生後3週間~1ヵ月半ごろが平均離乳期
離乳食のいろいろ
猫缶やドライフードを猫用ミルクでやわらかくする
牛肉、鶏のささみをつぶしてペースト状にし猫用ミルクをまぜる
それぞれを1日2回、母乳のほかに与える
ドロドロのペースト状にする
・1週間すぎたら…
ミルク半分と成猫の食事
1日4~5回
スプーンや指でペロペロとなめさせていく。
少しずつ量を増やしていく
・生後1ヵ月半ごろから
成猫と同じ食事でだいじょうぶ!
一離乳期に注意すること一
最初は、1日2回の離乳食。
まだミルクを主体に離乳食に慣らすということで無理させないようにする
1週間ほどしたら自分でお皿から食べられるようになるので食べやすい食器を。
離乳食は1日3回
子猫がたくさんいる時は、それぞれの食器に分けて与えたほうがおちついてよく食べる。
それぞれの食べる量もチェックできる
歯がはえそろったらドライフードはそのままで与え、歯と歯茎の健康のために煮干しなどを与えるどいい
離乳期に食べたものを一生好み、偏食猫になることもあるので、離乳食の選択は慎重にする
子猫に与えてもよいもの、悪いもの
与えてよいもの
子猫用フード
数種類の材料から作られているもの。
子猫用フードが手に入らない場合
肉や魚、卵黄、レバーなどのたんぱく源を成猫用フードに混ぜあわせます。
その場合のたんぱく源の割合は、食物全体の25%以下に。
ミルク
栄養的にはよい食物なので、子猫が下痢をしないかどうか注意しながら、下痢をした時はやめて、下痢が止まった時点でまた与えます。
与えて悪いもの
ドッグフード
子猫は高たんぱく、高脂肪の食物でなければ栄養不良になってしまいます。
ドッグフードは植物性たんぱくが多く、猫に必要ないろいろなアミノ酸が含まれていないため、視力障害や皮膚病を起こしたりします。
魚や肉、卵、レバーなどを単一で
好き嫌いの多い猫になってしまいますから、必ず多くの種類の食物を混ぜて与えなければなりません。
ただし1回に2種類程度に。
穀類や野菜
満腹感を与え便通がよくなるだけで、栄養不足のための発育不良やいろいろな病気の原因になることも。
鶏や魚の骨
のどや消化管にささってしまいます。
ビタミン剤や栄養剤
健康な子猫が子猫用のキャットフードを食べている限り、ビタミンやミネラルが不足して欠乏症を起こすことはありません。
これらを食物に添加するとビタミンやミネラルの過剰症を起こすことのほうが問題になっています。
与える時は必ず獣医師と相談して、添加してください。
人間の食事の残り物
好き嫌いが多くなるだけでなく、栄養のバランスもくずれ、また、いろいろな香辛料も使用されていたり、塩分過重で有毒な場合もあります。
人間のおやつ類
おやつ類は、糖分や塩分が多く、いろいろな病気の原因に。
一子猫に与えて悪いもの一
肉、魚など単一で与えない
鳥や魚の骨
ドッグフード
穀類や野菜
人の食事の残り物
栄養剤
ケーキ類
水の与え方と注意点
水は1日も欠くことのできない重要な栄養素で、常に新鮮な水(水道水でよい)を、子猫がいつでも自由に飲めるようにしてください。
食物中の水分が多い場合は、子猫はほとんど水を飲まないこともありますが、毎日同じくらいの尿量があれば心配ありません。
気温が高い時や運動量の多い時は当然、飲量水は多くなります。
子猫は、水を入れた容器をよくひっくり返しますので、なるべく安定感のあるステンレスかホーローを使用したほうがよいと思います。
置く場所は食物を食べさせる横と、いつも寝ているそばに、2カ所くらい置いてください。
便がかたすぎたり便秘気味の子猫には、ぬるま湯をときどき置いてあげると、水よりはよく飲むと思います。
一水の与え方一
食物のそばに
新鮮な水をいつでも飲めるように置いてあげる
いつも寝ているところにも
一子猫に与えてよいもの一
子猫用フード
成猫用フードにたんぱく源を食物全体の25%以下でまぜる
キャットフードのじょうずな与え方
キャットフードの種類
市販のキャットフードには、ドライタイプ、半生タイプ、缶詰タイプの3種類がありますが、大切なことは子猫はどんどん発育していかなければなりませんので、成猫のように体重を維持するだけのカロリーではとてもたりません。
ですから、子猫には高たんぱく、高脂肪、十分なミネラルを含んだ、子猫用のフードを与えてあげてください。
どのタイプのフードがよいか
子猫用として市販されていればどのタイプでもかまいませんが、離乳まもない子猫ではドライタイプが無理なため、かめるようになるまでは缶詰タイプがいいでしょう。
缶詰タイプでも材料を単一に使用してあるものは、いろいろな栄養素がたりないだけでなく、子猫の好みが決まってしまい、好き嫌いの多い猫になってしまいます。
したがって、レイションタイプ(いろいろな材料を混合して製造されている)の缶詰を与えてください。
そのほうが病気になった時の特別な食事療法もうまくいきますので、早く回復できるはずです。
どのくらい与えればいいか
子猫の発育(オスとメスでは多少オスのほうが発育はいい)を毎日チェックし、正常な発育をしていれば、肥満にならない限り食事の量を制限しないことです。
子猫は、自分できちんと摂取量を調節するのが普通です。
与える回数と気をつけてあげたいこと
肥満が問題にならない限り自由採食にして常時新鮮なフードを用意し、ほしい時にほしいだけ食べさせてください。
胃腸の弱い子猫では少量ずつ1日3、4回与えたほうがよい場合もあります。
何匹も一緒に飼っている時は、それぞれの食器を用意して少しずつ離して与えたほうが、1匹ずつの食事量もわかるし、憶病な子猫も安心して自分の食事を食べることができます。
また、なるべく静かな環境で食べさせてあげてください。
ー与える回数一
・ほしい時にほしいだけ食べさせる
常に新鮮なフードを用意しておくこと
ただし、肥満は猫はダメ
・腸の弱い子猫の場合
1日3.4回少量ずつ与えたほうがいいかも