猫が快適に生活できる環境が整っているか、おとなの猫になっても飼えるのか考えてみよう

猫と暮らしたい理由は、人によって違うものです。

 

「とにかく猫と暮らしたい」「毎日なでて可愛がりたい」「血統書のついているカッコイイ猫と暮らしたい」「血統の正しい純血種の猫を飼って繁殖したい、子猫を生ませてみたい」「キャットショーに出して、いい成績をとらせたい」などなど、それぞれの理由で選ぶ猫が全然違ってくるのです。

猫を選ぶ前に、まずこれらのことをはっきりさせなければなりません。

どんな理由で猫を飼いたいのかということが、どんなところから猫を入手するかにつながり、さらに猫との生活は選んだ猫によってずいぶんと違ってくるでしょう。

 

猫を飼うための心構え

一生をともに暮らす

猫を飼うということは、その猫の保護者になることです。

養育しなければならない子どもの責任を負うのと同様に、家族としてその猫の一生の責任を負わなければなりません。

一度のら猫にしてしまったら、その猫のたどる運命はみじめな末路しかありません。

のら猫が増えるのは、社会的な問題ですし、人間に迷惑がられる猫、そんな不幸な猫を増やさないためにも、飼う前に自分がその子猫の一生に責任が負えるかどうか十分に考える必要があります。

ただ好きだからというだけでは、猫の飼い主になる資格はないのです。

 

一飼うための心構え一
一生をともに暮らす覚悟で、家族全員に愛されるように
また近所への気配りも大切です

 

飼い主になる条件

猫が大好きで、猫を飼いたいと思っているなら次のことが完全にできるかどうか、じっくり考えてみてください。

 

①猫の寿命を全うさせる自信がある。
②猫を飼ってもいいという住居に住んでいる
③猫の健康を自分の健康と同じレベルで考えられる
④人間の赤ちゃんの世話をやくようにめんどうを見る
⑤引っ越しはあまりしないつもり
⑥十分なスキンシップができる時間がある
⑦よい飼い主である努力を惜しまない
⑧猫のための出費を惜しまない
⑨家具や大切なものを傷つけられることがあるかもしれない
⑩家族全員が猫を飼うことに賛成など。

いかがでしょうか。
ひとつでも心配な項目があったら、解決策を考えてください。
その結果,できる。
と自信が持てたら、今すぐにでも可愛い猫との生活が始められます。

一猫にかかる費用一
食費のほかにも出費はつきもの
ある程度の出費は考えておきましょう
何が必要かをよく考えて、ムダな出費をしないように
食費
トイレの砂
シャンプー
予防接種
キャリングバッグ
ケージ
治療代
おもちゃ
爪とぎ
など

 

猫にかかる医療費は十分に検討を

首都圏では猫も高層マンションに住んでいることが多く、転落事故も少なくありません。

また、外出自由の猫は交通事故も心配です。

ダイエットのための食事療法や成人病の心配、それに若い時は元気で病気をしなくても、高齢になれば違ってきます。

猫には健康保険がないので、医療費は全額飼い主負担です。

最低限度の医療費はどれくらいか、不意の時のためにどのくらい準備しておいたらいいかなど、十分検討して下さい。

 

子猫の選び方

外見だけでは選ばないように

ペットショップで子猫を買う時や、複数の子猫の中から1匹を選ぶ場合は、外見だけで選ばずに、健康状態をしっかりチェックしましょう。

一緒に暮らす家族になるのですから、飼い始めて病気ばかりしていては大変です。

また、子猫が家にきてからも健康状態はどうなのかをチェックしてください。

健康状態は体の状態を注意して見ると、ある程度の判断ができます。

 

健康な子猫を選ぶポイント

健康な子猫を選ぶチェック項目は、次の通りです。

注意してみてください。

 

毛なみ

毛のつやがよく、毛がぬけていてハゲていないか皮膚にかさぶたがないか。

 

耳の中がきれいかどうか。黒い耳アカがたまっていたり、黒く汚れ、かゆがり、ひっかき傷がある場合は、耳ダニがいる疑いがある。

 

目がパッチリしていて、人間を興味深げにじっと見つめる。

目が赤くなっていたり、目ヤニや涙がでているのはかぜや寄生虫、栄養障害の可能性があり。

 

鼻水が出ていたり、鼻の頭が乾いている、くしゃみの連発は病気などの兆候あり。

 

歯周病があると口が臭いので口臭をチェック。

歯ぐきの色が赤くなっていないか。

 

おなか

さわってみてよくしまっているのが健康。

おなかがペチャンコだったり、パンパンにはっているのは回虫の疑いが。

抱いた時に痛がるのも注意を。

 

おしり

肛門のまわりがきれいかどうか、赤くただれていたら慢性の下痢の疑いがある腸の弱い証拠。

 

四肢

しっかりしていて太い、歩かせてみて歩き方に異常がないかどうか。

 

体重

手のひらにのせてみて、見た目より重く感じる子猫を。

 

食欲

食事をしているところも見て、食欲が旺盛で動きが活発かどうか。

 

性格

すぐにじゃれついて、いつも動きまわっていて体がしなやか。

 

その他眠っている時以外は好奇心が旺盛。

無関心でうずくまっていない子猫を。

 

一住環境に適した猫を一
動きまわることが好きな猫なら狭い場所での室内詞いはやめた方がいい

一健康な猫を選ぶポイントー

目の中に、黒い耳あかがたまっていたり、悪臭があるのは外耳炎や耳ダニの恐れ。
耳に触ると、すぐに後足でかくのは耳ダニの可能性大。
特に長毛種は要注意。


涙を流していたり、目ヤニが出ていたり、ショボショボした目を、しているのはかぜや寄生虫、栄養障害などの兆候。
イキイキとした目の子を


鼻水が出ていたり、鼻の頭が乾いている


口の中はきれいなピンク。
口臭をチェック。
口が臭いと歯周病のおそれ。
歯ぐきも赤くはれて、いないかどうか見る。

おしり
しっぽを上げてみて、肛門のまわりがきれいなのが快便のしるし。
まわりの毛が便で汚れているとか肛門が湿っているのは下痢の証処。
肛門が赤くただれていたり、少し飛び出したようになっているのは寄生虫か慢性下痢による、腸の弱い子猫

被毛
毛のつやがよく、毛のぬけたりしていない子猫を

体重
手のひらに乗せて、見た目より意外に重いと感じる子ネコを。
体重が順調に増えているのは何よりも健康の証拠。

四肢
しっかりしていて太い。
歩き方に異常がないかどうか。
しっかりと踏んばれるかどうか見る。

おなか
触ってみて、かたさを感じるのがよく食べている証拠。
おなかがペチャンコだったり逆にポンポンにふくれているのは病的。
寄生虫の可能性も。

性格
呼ぶとすぐに反応して寄ってくる子猫、初対面でもおとなしく抱かれて、のどをゴロゴロ鳴らす子猫。
すぐにじゃれつく子猫は明るくて人なつこい性格。

食欲
食事をしているところも観察する必要あり。
食欲旺盛で動きが活発な子猫を

 

 

 

オスかメスかじっくり検討

生後2、3カ月頃の可愛い盛りには、メスかオスかはそれほど大きな問題になりません。

子猫の可愛さは、メスかオスかにはまったく関係がないからです。

でも、おとなになると全然違います。

個体差はありますが、一般的にオスはメスより活動的で外向的、メスはおとなしく、いうことをよく聞き内向的な猫が多いようです。

ただし避妊、去勢をするとオスの外出好きも、尿のスプレーもコントロールできますし、子猫が生まれてもらってくれる人がなく、家中が猫だらけになる心配もありません。

問題は避妊、去勢をしない場合です。

 

一オスとメスの見分け方(生後2~3ヵ月齢)一
しっぽを上に持ち上げ、生殖器の形でオス、メスを判断。
子ネコの場合は、まだ外見上はっきりしなので判断が難しい

成猫
肛門からペニスの間は2cmくらい離れている。

睾丸は生後1か月目まではほとんどふくらみがなく、よく触らないとわからない。

肛門から外陰(メス)、ペニス(オス)までの間隔が違う
ペニスも小さくわからない

 

オスとメスの性格の違い

猫は生後8~10ヵ月もするとおとなになり、メスもオスも発 情期がやってきます。

発情期は一般には、年2回といわれていますが、最近は室内飼いの猫が多くなり、気温や日照時間など、季節の変動がはっきりしなかったり、猫の食生活の向上で発育がよくなったことなどで、生後6カ月前後の猫が発情することもあり、妊娠しなければ年に数回も、発情兆候が見られます。

性成熟したオスは外出したがり、それを出さずにいると家の中に尿スプレーして回り、あの独特のにおいにはとても耐えられないでしょう。

そして発情期のメスを求めて外へ出たオスは、闘争による外傷や伝染病の感染、交通事故などにあうことが少なくありません。

メスの発情兆候は、オスを呼びよせる鳴き声が、時には鳴きわめき大騒ぎをする猫も少なくありません。

そして、発情期にメスが気に入ったオス猫に出会ったら、妊娠はまちがいなしと考えなくてはなりません。

2カ月後には少なくても1、2匹、多ければ7、8匹もの可愛い子猫の誕生です。

 

オス、メスの別をよく確かめる

オスを選ぶか、メスを選ぶかは猫に何を期待しているかで決まり、オスかメスかはどちらでもいいなら、避妊、去勢という方法がとられるわけです。

また、子猫の時はオス、メスの区別がつきにくく、「メスだと思ってもらってきたらオスだった」という話も耳にします。

確かに生後1カ月ぐらいまでは判断しにくいのですが、生後2、3カ月ぐらいになると判断できるようになります。

 

純血種の猫か、黒猫にするか

純血種の猫は、ブリーダー(繁殖者)によって計画的に繁殖されます。

同種を交配することによって、同じ特徴を次代につないでいくのです。

ブリーダーは猫の固定された種を保存し、人間が飼いやすいように改良したりもします。

純血種の猫は、生まれると血統書が作成され、3、4代前までさかのぼって血統を見ることができます。

どんな親から生まれ、どんな兄弟がいるかも血統書で一目瞭然。

長い時間をかけて管理されているので、個体差はあるものの、その猫、その猫種はどんな性格かを判断することも可能です。

それに対して、日本猫には普通は血統書がありません。

日本猫は自由に繁殖していますから、子猫の父親がどんな猫なのか、判断できないこともあります。

血統などは問題でなく、友人や知人宅で生まれた猫をもらい受けたり、母猫が置き去りにした子猫を保護して飼うなどが一般的なケースですが、血統がはっきりわかり、性格もある程度判断できる純血種が飼いたいというのも、これから猫を飼おうと思っている人の選択テーマのひとつになるのではないでしょうか。

 

代表的な純血種の特徴
猫種名
毛の長さや色の特徴
性格、その他の特徴

アビシニアン
長めの短毛。黄褐色
おとなしく友好的

アメリカン・ショートヘアー
中くらいの短毛。シ|ルバータビー他30種
陽気で人なつこくよく甘え、飼いやすい

デボン・レックス
ウェービーな短毛
活発で好奇心旺盛

エジプシャン・マウ
長めの短毛。3種類
賢くておとなしい

メインクーン
短めの長毛。30種類
温和でよくなつく。

マンクス
短毛で30種類以上
ひっこみ思案

オリエンタル・ ショートヘアー
細い短毛。ポイント以外の毛色は豊富
好奇心が強く外向的で、気位いが高い

ペルシャ
長毛。毛色は豊富
おっとりして温和

ロシアンブルー
短毛。ブルーのみ
内気でおとなしい

スコティッシュ・フォールド
短毛。いろいろな毛色が認められている
温和で愛想がよく、じょうぶ

シャム
短毛。基本は4色のポイント。他
賢く好奇心も強い

ソマリ
短毛。10~12の色帯
野性的で用心深い

ターキッシュ・アンゴラ
セミロングの長毛。白が有名だが他色も
風貌はエレガントでも、野性味を残す

ヒマラヤン
長毛。基本4色のポイント
温和でひかえめ

ー長毛種が短毛種か一
毛の長い猫がいいか、短い猫がいいかどちらも捨てがたい魅力
手間のかかり方が違うのでよく考えて選ぶ

 

長毛種か短毛種か

純血種でも雑種でも、猫の毛の長さには、いろいろあります。

どの長さの毛の猫がいいかは、まず飼う人の好みです。

長毛の優雅な猫は、その美しい姿を眺めて楽しむという人向きですが、その美しさを保つため、グルーミングを頻繁にしなくてはなりません。

この手間は、長毛の猫を飼ったことのない人にとっては、少しめんどうかもしれません。

 

手間のかかり具合がかなり違う

長毛種の猫を飼う楽しみのひとつは、その毛の手入れにあるといってもいいくらいです。

しかし、ちょっと手入れを怠ると、猫の毛は毛玉となりくしやブラシが通らなくなり、見るも無残な姿になってしまいます。

また、季節の変わり目、特に春から夏になる頃の換毛期のぬけ毛は大変です。

1日に何度掃除機をかけても、次から次と猫の毛が床に落ちます。

一方、このような手間がかからないのが、短毛種の猫です。

もちろんグルーミングは必要ですが、それは猫が自分でするだけで十分。

季節の変わり目や、換毛期にシャンプーしてあげるくらいでいいでしょう。

また、短毛種の猫は長毛種の猫に比べると、人間に世話をやかれることがあまり好きではないようです。

 

住環境に適した猫を

室内飼いを余儀なくされることが多い都市で生活する猫たちの住環境は、飼い主の住環境をそのまま受け入れなくてはならず、決してゆとりがあるとはいえないことが多いのではないでしょうか。

飼い主として、住環境に適した猫を選ぶことが、猫にとっての快道さの約束にもなります。

たとえば、活発に動きまわることの好きな猫は、狭いアパートで室内飼いをされたら、欲求不満になってしまうということもあるでしょう。

鳴き方や動きが活発かどうかも問題

どちらも発情期なのにこの違い!!

声や鳴き方は、猫によって大分が違うから注意しよう

 

鳴き方や動きが活発かどうかも問題

声や鳴き方も、猫によって大分違います。

発情期に騒がしく鳴く猫や、ほとんど鳴かず発情期になってもまったくわからないという猫もいます。

発情期の問題は、避妊手術をすることで解決できるとしても、走り回らせてあげないとストレスになってしまう猫と、おとなしく静かにしていても満足する猫とでは、生活する場所や条件が違うということを、猫を選ぶ時のひとつの項目に入れておいてはいかがでしょうか。

 

純血種は目的にあう猫を

純血種の猫を飼うのは、ある程度性格がわかっていますから、飼い主との相性判断がしやすいというメリットがあります。

もちろんどんな猫がほしいのかということは、飼う前にはっきりさせておかなくてはなりません。

単にペットとして飼いたいのか、将来キャットショーに出してみたいのか、この2つだけでもどんな猫を選ぶか全然違ってきます。

そこで純血種の猫を専門に繁殖しているブリーダーたちは、それぞれにランクづけをしてショータイプ(ショー出陳用)、ブリーディングタイプ(繁殖用)、ペットタイプ(愛玩用)の3つに分けて考えています。

どの程度の猫を求めるかは、飼い主の飼育目的や予算で決まるのですが、単純に純血種を手に入れたいとか、飼育経験の少ない人は、ペットタイプのものから飼うことをおすすめします。

そしてペットとして飼うなら、性格や容貌などの好みで選んでも問題はないでしょう。

でも、将来ショーに出したいと考えているなら、キャットショーをいくつか見たり専門書などで、スタンダード(基本)についての勉強をしましょう。

ただし、自分の好みとスタンダードとが大きく違うこともあります。

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