かしこい猫の育て方。
よく遊んだ猫ほどかしこくなる
飼い主は母猫、兄弟姉妹と同じ
子猫時代の遊びは、人(猫)格形成の重要な要素で、社会関係を形成・理解する学習の場です。
兄弟姉妹とのレスリングで運動能力を高め、猫同士のつきあい方を学びます。
母猫からは毛づくろいや餌のとり方、危険への対処、そして何より愛情深さを教えられて、一人前の猫に成長します。
飼い主は、子猫の兄弟姉妹と母猫の両方の役目をになっているのです。
子猫のころによく遊び、探索の自由を与えられて育つほど、たくさんの愛情をそそがれるほど、情緒豊かな知能の高い猫になります。

遊びと、声かけで情緒豊かに
室内で飼われ、どんなにおっとりしているように見えても、猫は狩猟本能を持っています。
動くものに興味を示し、じゃれついている姿にもハンターとしての素質が見られます。
狙いを定めて忍び足で近寄り、ここぞというチャンスに一気に攻撃をしかけて、前足で押さえこみます。
動いているものと自分との距離を正確に判断し、すばやく襲いかかるスピードは、天性のものです。
このハンターとしての素質が、猫らしい動きのしなやかさや精悍さを生んでいます。
1日、寝て、食べてだけの毎日を送っていれば、当然そうした「猫らしさ」は望めません。
毎日が探索の日々である放し飼いの猫と違って、室内飼いの猫の生活はとくに単調です。
成猫になると、子猫時代のように自分から遊びを誘うことはなくなります。
飼い主が積極的に遊びを提供したり、話しかけたり、猫本来の好奇心を刺激してあげれば、かしこく、情緒の豊かな猫として成熟していきます。
たくさん話しかけられて育った猫は、おしゃべりです。
鳴き声の多彩さはもちろん、ゴロゴロ混じりのつぶやきや目の色、体をこすりつけながらの会話をします。
飼い主がかなしいとき、困っているとき、心配顔でそっと寄ってきてなぐさめてくれます。

●兄弟のレスリングで噛み方の強さの調節や威嚇のしかた、仲直りのやり方など、猫同士のコミューケーションを学びます。

●オモチャを相手に跳びつく、追いかける、キャッチするなど、名ハンターの技を磨きます。

寝るのも仕事
●一生の3分の1は寝て過ごす
猫の睡眠時間は、1日平均14時間。
子猫や老猫は18時間くらい寝ています。
物音がすればすぐに目を覚ましますが、まわりの安全を確認すれば再び深く眠ります。
本来、夜行性なので、昼間寝て夜になると活動する猫もいますが、室内飼いの猫は人間の時間割りがふつうです。

●寝かたでわかる猫の気分
リラックスして寝ているときは、手足をのばして長くなったり、お腹を出して仰向けになったりといろいろな恰好で眠ります。
ひどい寝相ほど、安心しきっている証拠です。
気温の変化も寝姿に影響大。
寒いときは、頭を胸にもぐらせてボールのように丸く、暑いときはひたすら長く伸びて寝ます。
もらわれてきたばかりとか、場所になじんでいない、慣れていない人がそばにいるときなどは、しっぽをくるんと巻きつけて寝ます。

●お気に入りの場所を複数確保
猫は夜寝るベッドのほか、お気に入りの寝場所をいくつか確保します。
日当りばつぐんのところ、風通しのいいところ、ちょっと人恋しい気分のときのリビングルームなど、1日の時間帯と気分で移動しながら寝ます。
安心感から、タンスの上、テレビの上など、高いところで寝るのを好む猫もいます。

●猫も夢を見る
体やヒゲをぴくぴく動かしたり、寝言でうなったりしているときは、夢を見ています。
昼間のケンカやパニックからか、がばっと跳び起きることもあります。

猫の行動心理学入門
テリトリー意識とマーキング
・2つのテリトリー
野良猫はそれぞれ自分のテリトリー(縄張り)を持っています。
都会と郊外、地域の勢力分布などによっても異なりますが、ねぐらを中心に、半径50~500mくらいの範囲が1匹の猫のテリトリーです。
テリトリーは、自分の寝場所がある「ハイム・テリトリー」と、その周辺の「ハンティング・テリトリー」で構成されます。
ハイム・テリトリーはプライベート・エリアともいい、ほかの猫の侵入は許しません。
ハンティング・テリトリーは1匹が独占ということはなく、かなりの部分をほかの猫たちと共有しており、1日2~3回に分けてパトロールするのが日課です。

・テリトリーのパトロール
テリトリー内のパトロールはとても重要な意味を持っています。
猫は好奇心旺盛といわれますが、同時に用心深く警戒心も強いのが特徴です。
ハンティングの成功率を高めるために、この一定のエリア内を毎日歩いて狩場の状況を把握し、縄張りに変化はないか、自分が安心して暮らしていく上での安全確認をしているのです。
放し飼いの飼い猫も、家の周辺のハイム.テリトリーを中心に縄張りを持ち、定期的に外に出てパトロールします。

マーキングは自己主張と時差出勤
テリトリーには、木や電信柱、草むらなどの要所要所に、おしっこをかけるスプレー行為とツメとぎでマーキングします。
ツメとぎは、体を伸ばしてなるべく高い位置にツメ跡を残します。
これは野生の肉食獣も同じで、高い位置のツメ跡はそれだけ大きな体を暗示し、それを見た侵入者を威嚇できるからです。
パトロール中にほかの猫のマーキングを見つけたら、まずニオイを調べ、いつごろ誰が通ったかを確認します。
ずいぶん前に通ったとわかれば、相手のマーキングに自分のマーキングを重ね、そのまま進みます。
猫は単独行動の習性から、同じエリアで仲間に会うことを好みません。
マーキングは昼間お互いになるべく出会わないようにするための連絡手段であり、名刺を置くようなもの。
ハンティング・エリア内の「時差出勤」によって、テリトリーの共有を行っているのです。

●猫は自分のテリトリーを頭の中に記憶して、その地図に従って行動します。

あ、マズイッ! と困惑の転移行動
●セルフグルーミングでリラックス
猫は昔からきれい好きといわれます。
自分の体をなめて、汚れや体についたニオイを掃除します。
これを毛づくろい、セルフグルーミングといいます。
グルーミングは、母猫が子猫をなめたり、兄弟姉妹や仲のよい猫同士の親愛の表現としても行われます。

●転移行動としての意味
相反する衝動によって葛藤が生じた場合、ある行動をとろうとして阻止された場合などに、本来の行動とまったく関係ない別の行動をすることがあります。
この行動を「転移行動」といいます。
猫の転移行動は、セルフグルーミングとして表れます。
何かしようとして人にしかられたとき、失敗したとき、何かに驚いたときなどに、いきなり体をなめはじめます。
おもしろいところでは、猫同士のすさまじいケンカの真っ最中、突然、セルフグルーミングの休憩タイムが入ることがあります。
これは、お互いに緊張しすぎ、パニックをしずめようとしている転移行動です。

●ツメとぎとあくび
ツメとぎとあくびも、ときに転移行動に転じます。
怒られたときや驚いたときなど、ぱっと走リ出して、意味なくツメをとぐ真似事をしたり、眠くもないのにあくびをしたりします。
人間でいえば、腹を立てて小石を蹴る、近くにあるものにあたる、バツの悪さでつい笑う…などと似ています。

猫社会のルール
猫のあいさつ
顔見知りは目を合わせないのが基本
道を歩いていて、2匹の猫が鉢合わせ。
相手に無関心、知らんぷりで通り過ぎる――
猫の世界ではこれが常識で、あいさつはしない方がよいあいさつになります。
お互いに目をそらさずにじっと見つめ合ってしまうと、相手に挑戦していることになってしまい、目をそらした方が負けの意思表示になってしまうからです。
ですから、基本的に相手を避けて行動します。
運悪く目が合ってしまったときは、毛を逆立て、うなり声を上げて、どちらかが立ち去るまで威嚇しあいます。
初対面のあいさつにはルールがある見知らぬ猫同士が出会ったときは、緊張しながら鼻と鼻をつきあわせてあいさつをします。
つぎに、肛門の左右にある肛門腺から分泌されるニオイをお互いに調べようとぐるぐるまわる過程で、2匹の優劣が決り、劣位の猫が肛門をかがせて、あいさつは終
ります。
このあいさつ行動がケンカに発展することがあります。
2匹の優劣が見定められないうちに、緊張のあまり相手を威嚇してしまったり、一方が防御体制をとってうなり声をあげてしまって、運悪く起こるケンカです。
本格的なケンカになることは稀で、劣位の猫はスキを見て逃げ、優位の猫はあえて追いかけません。

なかよしのあいさつ
猫同士親しく、信頼しあっている場合は、鼻をつきあわせるあいさつのあと、お互いに体をこすりつけたり、グルーミングしあいます。

夜の集会
猫の交流会
夕暮れから夜半にかけて、小さな空き地や屋根の上、塀の上など一定の場所を決めて、どこからともなく猫たちは1匹1匹と集まってきます。
ハンティング・エリアを共有する猫たちの「夜の集会」です。
そこでは大勢の猫たちが何をするわけでもなく、穏やかなコミュニケーション活動を展開します。
毛づくろいをしあったり、ちょっとした小競り合いもあれば、体を寄せあってくつろぐ猫、ひとり離れて座る猫もいます。
夜中になると三々五々、自分の寝場所に帰ります。
繁殖期が近づくにつれ集会の時間は長くなり、一晩中続くこともあります。

猫社会の安定と維持
猫は単独行動をとるとよくいわれますが、ハンティングの方法が、単独で隠れて獲物を待ち伏せし、そっと獲物に近づくやり方なので、お互いの狩りの成功のためにも、分
散して暮らしていることが必要なのです。
そのため本能的にほかの動物を避ける排他的な傾向が強いというだけで、単純な意味での単独生活者ではありません。
昼間はいわばライバル同士。マーキングとテリトリーのパトロールで仲間との意志や感情をさりげなく伝え合い、夜の集会で連帯を強化して、猫社会の安定を保っているのです。

カ関係は微妙
テリトリー内の力関係は、去勢されていないオス猫がしきるのがふつうです。
とはいえ、厳格な順位はほとんどなく、ボス以外は対等で、時や状況によって流動的です。

猫との上手なつきあい
習性を知って、つきあう
「甘えるけれど、自立心旺盛
犬は従順で、遊んであげるほど喜び、飼い主との信頼関係を深めます。
それに比べて猫はわがまま、マイペースといわれます。
自分から甘えてきても、なでてもらううちに機嫌を悪くしてみたり、その気がないときは抱かれるのも嫌がったり。
この一見マイペースぶりは、もともと単独生活の種であるネコ科の習性です。
本来群れで生活する犬は、リーダーの下で厳格な順位を守る習性を持ちます。
飼われている家庭は、犬にとってひとつの群れなので、リーダーである飼い主に絶対服従できるのです。
その点、猫は飼い主を母猫のように感じて信頼しているのであって、自分を家族という群れの下位であるとは捉えていません。
ですから、猫と飼い主は、あえていうなら成人した子供と親のような関係です。

好奇心の強さは狩猟本能から
猫はいたずら好きとよくいわれますが、これも天性のハンターであればこそ。
飼い主にとっては迷惑きわまりないいたずらでも、猫にとってはトレーニングであったり向学心の表れだったりします。
しかるより、猫の好奇心=本能を「代替の方向」へ導くことが唯一の解決策です。
狩猟・探索本能を満足させる遊びを提供してあげてください。

かわいいけれど、変な行動
新聞を広げると、のっかってくる。
突進してきて破く。

読書や裁縫、勉強など、何かやろうとすると、膝の上にくる。
邪魔をする。

来客があると、様子を見に来て、割って入る。

水を置いてあるのに、お風呂場やキッチンの蛇口から水を飲む。

夜、寝ようとして電気を消すと、起きだして歩き回ったり、ゴロゴ口いって、甘えてくる。
なでられているうちに、ゴロゴロいいながら、噛む。

食事の用意をしていると、ツメを立てて背中を駆け登ってくる。

猫にしてみれば…。
紙のぱりぱりした音に興奮するから。
めくられる紙の動きに狩猟本能を刺激されるから。

音や気配が気になるから。
放っておかれているように感じて、不安になるから。
自分をアピールしたくなるから。

ふだんと違う飼い主の様子が気になり、落ち着かないから。
カルキ臭が気になって、くみおきの水を飲む。
新鮮な水を飲みたいから。
水の動きにひかれるから。

夜行性の血がさわぐから。
遊び足りないから。
ちゃんと「おやすみ」のあいさつをしてほしいから。

オス猫の場合は、うれしいから。
愛情表現、独占欲の表れ。
メス猫の場合は、ストレスがたまっていることも。

猫だから。早く食べたいから。
何をしているのか見ていたいから。

対策
紙を丸めて投げて、遊んであげる。
読むのを諦める。

始める前に、遊んであげる。
ときどき声をかけてあげる。

来客に紹介し、しばらく輪の中心においてあげる。
ドアを閉めておく。

こまめに水を取り換える。
食器をよく洗う。
カルキ臭をとる。

「おやすみ」の声かけをし、就寝前のスキンシップをする。
がまんする。
痛いことをアピールする。

運動、遊びを増やす。
がまんする。垂直運動の遊具を増やす。

かわいくない行動
しかると、そっぽを向く。
食事を食べず、土をかけるようなしぐさをする。

抱かれるのを嫌がる。
後足でける。
かみつく。

呼んでも来ない。
知らん顔をする。

要求を通そうと、しつこく鳴く。

猫にしてみれば・・・。

ごめんなさい。

気に入らない。
今食べたくない。
あとで食べようかな。

ほかにしたいことがある。
抱き方手が下手だ。

眠い。
動きたくない。
最近ちっとも遊んでくれないくせに・・・。

お腹がすいた。
退屈している。
遊んでほしい、などなど。

対策
ゆるす。

食事をかたづける。
代わりのものは出さない。

無理強いしないで、放っておく。

放っておく。
遊んであげる。

ダメなものはダメと、毅然とした態度をとる。

困った行動にはやさしく対処
しかるより、理解が先
異常な行動には、必ず原因あり
トイレ以外での排泄や、性格が変わったかのような情緒不安定、いたずらの範囲を超えた困った行動をするときは、まず、何かの病気を疑ってみましょう。
健康に問題がない場合は、何かしらの理由があります。
猫に悪意はありません。
室内飼いであれば、部屋の模様替え、猫のベッドやトイレの場所を変えた、最近来客が多かった、留守がちだった、運動不足・退屈などのストレスが考えられます。
放し飼いであれば、猫同士の縄張り争い、テリトリー内の環境の変化などが原因になります。
しかる前に、なぜそのような行動をとるのかを考えてあげましょう。

びっくりさせて、ストップをかける
室内の植物をいたずらしたり、家具にツメとぎをするのをやめさせたいときは、隠れた場所から水鉄砲や霧吹きで水をかける方法が効果あり。
いたずらをする直前に、大きな音を出してびっくりさせるのもよい方法です。

スプレー行為は、先手を打つ
去勢をしても、1~2割の猫には尿スプレーが残ることがあります。
玄関などの出入口や廊下など、たいてい場所は決っていて、人の行き来するところです。
年をとって、テリトリー意識が弱まるとおさまります。
対処法は、その場所に食事や水を置いておく、体が触れるところにガムテープの粘着面を表にして貼っておく、待ち伏せして水鉄砲攻撃をしかける、などなど。

突然、襲ってくる
放し飼いの猫に、ごくたまにあるのが、飼い主にいきなり跳びかかってくること。
これは、外で野良猫や動物に襲われたショックの経験を飼い主にぶつけている場合が多いようです。
こんなコワイ思いをしたよ、という報告の場合、パニックから抜け出せなくてヤツアタリの場合もあります。
猫が落ち着いたところをみはからって、やさしくなでたり、声をかけたりして、安心させてあげましょう。
しばらく外出をひかえさせ、室内で遊ばせるのもいいでしょう。

・病気でもストレスでもないときは、本能
ペットといえども、動物。
ツメとぎ、尿スプレー、あらゆるいたずらは、狩猟本能とテリトリー意識の本能に根ざしています。
多くの問題行動は、満たされない本能の表れです。
日光浴は、体の健康のためだけでなく、ストレス解消にも効果大です。
退屈して、テレビでも見ようかな、音楽でも聴こうかなと思うとき、3回に1回、横にいる猫の退屈を思いやってあげましょう。

困った行動
過剰なセルフグルーミング。

トイレ以外での排泄。

来客のクツや持ち物にオシッコをかける。

小動物や昆虫、小鳥などの半死半生の獲物を持ち帰る。

猫にしてみれば…
ストレス、退屈、不安。

運動不足によるストレス。
環境の変化への不安。
新しい家族への嫉妬。
トイレが汚れている、などなど。

見慣れないもの、知らないニオイ・が不安。
自分のニオイをつける。

本日の狩りの成果。
すごいでしょ。
どうぞ食べていいよ。

対策
原因を取り除く。

環境の変化、トイレの衛生度などの再チェック。
原因を見つけて取り除く。
愛情をそそぐ。

ケージや隣室に隔離する。

ほめる。
笑顔で受け取る。

困った行動
過剰な喧嘩とケガ。

室内の植物を荒らしたり、家具でツメとぎをする。

待ち伏せして、跳びかかってくる。
攻撃的になる。

猫にしてみれば・・・
テリトリー争い。
イジメに合っている…。

気持ちが落ち着かない。
いらいらする、不安だ。

外で襲われたパニックを引きずっている。
恐怖体験を伝えたい。
欲求不満。

対策
できるだけ外に出さない。

水鉄砲や霧吹きで水をかける。
ツメとぎ器を変えてみる。
猫の草を増やす、種類を変えてみる。

なだめる、いつも以上に愛情をそそぐ。

猫の気持ちは鳴き声で
鳴き声は意志を伝えるランゲージ
音の高低、長短で鳴き分ける
猫は鳴き声で気持ちを伝えます。
同じように聞こえる鳴き声でも、声の高さやのばし方に変化があり、状況によって微妙に伝えたいことは違っています。
生後12週くらいまでの間に、16種類あまりの鳴き方をほぼマスターし、使い分けます。
大別すると、ノドの「ゴロゴロ」、声を出す「ニャーン」、「うなり声」の3種類です。

ゴロゴロ:
もともとは、母猫と子猫のコミュニケーションです。
生まれたばかりの目も見えず耳も聞こえない子猫は、母猫のゴロゴロの振動を頼りに乳首を探しだし、乳を吸いながらゴロゴロとノドを鳴らして応えます。
子猫が成長するにつれて、「ゴロゴロ」は人やほかの動物に対する親愛や満足のサインとなります。
痛みを感じているときにも発します。
どの猫も同じように鳴らすというわけでなく、音がやたら大きい猫、かすかな猫、中にはまったく鳴らさない猫もいます。

ニャーン:
はっきりと声を出す鳴き方です。
人に対する呼びかけが主で、成猫同士ではほとんど使われません。
これは、ネコ科の子供が母親を求める本能的な鳴き声で、成猫が飼い主に対して鳴くのは、飼い主を母猫とみなしているためです。

うなり声:
攻撃や防御、威嚇、交尾のときなどに出す「フーッ」「シャーッ」「ウー」といった声です。
捕まえたいものに手が届きそうでとどかないなど、極度のイライラのときは、「アアアアッ」と小さく詰まるような声を上げ、歯をかちかちさせたりもします。

猫の心はしっぽでわ
鳴き声以上に、雄弁なしっぽ
喜怒哀楽のバロメーター
猫がしっぽをまっすぐに立てて近づいてくるときは、期待のサインです。
甘えたい、遊んでほしい、食事の催促など、内容はいろいろです。
しっぽを立てて先を湾曲させているときは、とくにご機嫌、遊びを誘うサイン。
ゆらゆらは、くつろぎ状態です。
犬は機嫌がよいときうれしいとき、しっぽを激しく振りますが、猫は逆。
しっぽをぱたっぱたっと左右に振っているときは、不機嫌モードです。
振り方がぶんぶんと激しくなってきたら、不快、不機嫌の極地。
なでたり、かまったりしているとき、これを始めたら嫌がっている証拠です。
名前を呼ばれても振り返らず、しっぽを1~2回振って、「聞こえてますよ」のあいさつもあります。
興味の対象に向かっているとき、しっぽはぴんと立ち、しっぽの先はその方向に向きます。
とびかかる寸前、興奮でぴくぴくけいれんします。

・相手に威嚇、降参を意思表示
急に驚いたとき、しっぽの毛が急にふくらみます。
相手を威嚇するときは、体を少しでも大きく見せて自分の優位を示すため、しっぽと全身の毛を逆立てます。
しっぽをふくらませて湾曲させているときは、とくに強気、士気の表れです。
恐怖や降参は、しっぽを股の間にはさむよつにしてうずくまり、相手に体を小さく見せて弱さをアピールします。

平衡バランスをとる役目
●猫のしっぽは18~20個の尾椎(びつい)という骨と12本の筋肉によって、前後左右自由自在に動かすことができます。
25~30cmの長尾から、5~7cmの短尾、骨が変形して曲ったカギ尾、マンクスのように尾のないものまで、しっぽの長さや特徴はいろいろです。
長いしっぽほど、動きが大きく、表現力も豊かです。
高いところへジャンプするとき、反対に高いところから跳び降りるとき、また足場の悪い狭く高いところを渡るときなど、平衡感覚のかじとりの役目も果たします。

●長くてふさふさのしっぽは、自前のオモチャ?でも、猫は、イヌほど自分のしっぽとは遊びません。