動物病院には、深刻なケースのネコちゃんも非常に多いものです。

呼吸しているのがやっと、というネコ、乳腺腫瘍が大きくなって、立っても胸が床につきそうなネコなど、難解な疾患が多く、「健康なネコってどんな状態だったっけ?」と思い出さなければならないくらいのことも。

薬を投与することで、呼吸が落ち着き、元気になっていったり、手術をすることで元気をとり戻していったりするの見て、「薬や手術の力ってすごいなぁ~。」と思う飼い主さんも大勢いるものです。

しかし、薬や手術が万能かというと、そうでもありません。

たとえば、皮膚病のネコの場合、薬を処方して2週間後、「皮膚の状態がかなり落ち着いて、食欲も出て、元気になりました!」と飼い主さんが喜んでいます。

ところが、「では、少しずつ薬を減らしていきましょう」と減らしていくと、だんだんもとのひどい状態に戻っていく…というケースがあります。

そうなると、飼い主さんも心配で、「薬の量をもとに戻していただけませんか?」となり、結局、「薬で状態をコントロールし続ける」ことになっていく例が、少なくなかったのでした。

 

「治る」って何なの?

薬で症状は落ち着くものの、止めるともと通り。

よく「薬で治ります」という表現を使いますが、正確にいうと、「治った」ように見えるのは、薬で症状を抑えつけているだけで、本当に「治った」わけではないケースがあるのです。

動物病院では、「薬で症状をコントロールし、バランスのよい食事とストレスを与えない生活をさせれば、体力がつき、自然治癒力も上がって病気は治る」と診断されます。

「最善策」として「最少の薬」を処方し、「バランスのとれた食事」を与えることで体質が変わっていけば、薬もいらなくなるという仮定のもとに、ネコやイヌを治療することが本当の意味での最善ではないでしょうか。

動物自身の治癒力が上がるのを期待するのです。

闘病中のネコと生活している飼い主さんは、ネコの病気が起きてしまったことを後悔しても仕方ないのですが、「薬を飲んでいれば安心」「お医者さまにだけお任せしていればなんとかしてもらえる」という考えは、やめるのがよいのではないでしょうか。

 

私たちは毎日食事をするわけですから、食事に含まれる栄養素や食品添加物、農薬をはじめとする化学物質、その他の汚染を知ってはいても、「そんなことを気にしていたら食べるものがなくなる」と思っていても、「これは大変なことではないか?」と考えなおしてみてはどうでしょうか。

 

学ぶべきは、「食事内容によっては血液が汚れ、その汚れが病気のもとになる」ということです。

「症状はあくまで信号であって、根本的な原因は他のところにある」という考え方は、医学の重要な視点です。

そして「肉や魚が血液を汚す」という考え。

さらに「排毒」という言葉。

排毒とは、「体にいらないものを体外に出す」ことです。

私たち人間もネコも、食べたものは体内で利用するか、排泄するかしなければなりません。

食事は飲み込んだ後、胃腸の消化を受けて、栄養が小腸から吸収されます。

吸収されなかった栄養は大便として排泄され、吸収された栄養は血液とともに全身をめぐり、利用されます。

そして、老廃物は血液にのって腎臓へ行き、いらないものは尿として排泄される、という大きな流れがあります。

この他の排泄として、汗や鼻水などがありますが、とにかく排泄がうまくいっていれば、体調不良の原因となる物質が体内から出ていくので元気でいられるし、逆に、排泄がうまくいかないと、老廃物が溜まりやすく、体調にも影響が出てくるのです。

今までは病気を治すために何を飲んだらいいか、どんな薬を与えたらいいかという、「加える」ことに焦点をあてていましたが、体内にある、出すべきものをどんどん出していけば、血液もきれいになるし、病気にもなりにくいという考え方は、ネコちゃんの健康と寿命を確実に伸ばします。

「食事内容で歯茎が変わる。虫歯体質から脱出できる」ということも分かってきています。

最近は、ペットを「大切な家族の一員」ととらえている飼い主さんが多いものです。

「病気になった子に何かしてあげたい」「うちの子にいつまでも健康でいてもらいたい」「できるだけ長く一緒に暮らしたい」という飼い主さんの強い願いは、食事療法を学ぶことで実現できるのです。