地鶏しか食べないんです!
神奈川県横浜市の井上さん
チャコ(4蔵、メス、ミックス)
市販のドライフードでずっと育ててきましたが、2歳のときにチャコが結石症になってしまいました。
手術で切り抜けたのですが、再発を防ぐためにと、獣医さんから病院食をいただきました。
ところがチャコは、ひと口も食べようとしません。
かといって、それまで食べさせてきたドライフードに戻るのも恐かったので、手づくり食にトライしてみることにしました。
最初は、ごはんにささ身、キャベツ、豆などを混ぜましたが、ささ身だけ送りわけて食べました。
それじゃあ、栄養バランスがとれないと思って、かつお節を振りかけたら、ささ身とかつお節だけ食べました。
それでは……と、かつお節を他の食材とかき混ぜて出したところ、まぁ、なんとか食べてくれるようになりました。
ほっとひと安心して、まとめてつくって小分けにして、冷凍保存しました。
しかし、手づくり食にして3週間後、出したものを全然食べなくなったのです。
かといって、元気がないわけではありません。
においをかいだだけで、口をつけてくれません。
どこか悪いのかと思って、念のため病院で検査を受けたところ、特に異常なし。
そこで、食事内容をいろいろ変えてみることにしました。
なぜ食べてくれないんだろうと、本やネットでいろいろ調べているうちに、ネコは食事のにおいに敏感ということを知り、「ひょっとして、冷凍しすぎるとだめなのかな」とあらためてつくり直してみました。
しかし、やはり食べてくれない。
「なんでぇ~…?」
さらに調べてみると、栄養の偏りを防ぐため、ネコは食事の好みが変わることを知り、「そうか、ささ身が続いたから、牛肉や魚にしてみればいいのか」といろいろつくってみました。
でもチャコは、ちょっと食べてはいなくなり、ちょっと食べてはいなくなりのくり返し。
「このままでは栄養失調になるのでは」と不安になったものの、「こんなに食べないのに、なんでやせないんだろう? 家ネコなのに……」と疑問に思いました。
そんなとき、親戚から冷凍の地期セットが届きました。
すごくおいしそうで、さっそく、ソテーにして食べようと、凍った胸肉の解凍をして調理にとりかかったところ、突然チャコが、ミャー、ミャーと部促の声。
そこで、味つけ前の肉を生のままちょっと切ってあげたら、フガフガいいながら食べはじめたのです。
こんなチャコを久々に見たので、嬉しくて、私の分を半分あげると、もう、ペロッとたいらげて、満足そう。
翌日、地場はもったいないと、スーパーの内にしたら、ちょっとにおいをかいだだけで、行ってしまいました。
そこで、スーパーの開肉と地を別々の皿に盛ってちょっとずつ出してみたら、地だけ食べる……。
翌日、車でて試してみましたが、やはり地前のほうだけ食べました。
こうなったらと、私もぼ完してみる気になりました。
レバーはどう? 砂肝はどう?いろいろ試してみましたが、やはり地鶏しか食べません。
以来、チャコのために、地鶏のミンチを購入しています。
手づくり食を始めて1年半になります。
忙しいときは市販のフードを使いますが、それ以外は頑張って手づくりしています。
いつか地鶏に飽きて、スーパーの新肉が好きにならないかな……と期待しているところです。
わが家のレシピ
地鶏のミンチ(肉、内臓、骨)
有機野菜のビューレ(冷蔵庫にあるものをフードプロセッサーで細かくしたもの)
ごはんを 少々(残すこと多し)
かつお節 少々
フィッシュオイル 1錠
マルチ・ビタミン・ミネラル・サプリメント
さらにときどき、鶏ガラのスープをかけています
好みがてんでばらばらの子たち
千葉県市川市の田口さん
もも(2歳・メス・ミックス)しずか(5歳、メス・アメリカンショートヘア)サム(9歳ぐらい・オス・ミックス)
ももはブロッコリーが、しずかは肉が、サムは魚が好きと、うちの子たちは食についても個性的。
昔はそれぞれにつくっていましたが、かなり大変で、ストレスになってきたので、最近では「魚+ブロッコリー」と「肉+ブロッコリー」の食事を交互に出しています。
魚好きのサムは肉のごはんはあまり食べませんし、肉好きのしずかは魚のごはんはちょっとだけしか食べません。
ももは他の2匹が残したブロッコリーを横どりして満足しています。
以前は、1食でも食べないと「大丈夫かな?」と心配していたのですが、自然界では週1回しか食事ができないなんてこともあると聞いて、断食は体の浄化にもなることだしと、気楽に考えられるようになりました。
今のところ全員、避妊去勢手術以外で動物病院のお世話になっていないので、これからもずっと元気でいてほしいと思います。
わが家のレシピ
・黒・ブロッコリー・ミックス
鍋に入る程度の大きさの魚
ブロッコリー
かつお節
冷蔵庫にある葉っぱ類
ごはんしゃもじに軽く1杯
ビタミンE・サプリメント
1魚の腹を割き、内臓をとって、肝臓以外の内臓は捨てる。
2ブロッコリーを、丸飲みできるくらいのサイズに細かくする。
3魚と肝臓とブロッコリーを、かつお節と一緒に鍋で煮る。
4魚の骨が柔らかくなるまで、1~2時間煮る。魚がほぐれたら、室温程度に冷えるまで待つ。
5葉っぱ類を、フードプロセッサーで細かくする。
6器にごはんを盛り、魚とブロッコリーを混ぜて、最後に葉っぱのピューレをのせて、ビタミンE・サプリメントを加えて出来上り!
・肉・ブロッコリー・ミックス
鶏肉
鶏のレバー、ハツ、砂肝
ブロッコリー
冷蔵庫にある葉っぱ類
ごはん しゃもじに軽く1杯
マルチ・ビタミン・ミネラル・サプリメント
1鶏肉と内臓を、包丁でひと口サイズに細かくする。
2ブロッコリーを、丸飲みできるくらいのサイズに細かくする。
3鶏肉、内臓、ブロッコリーを鍋で3分ほど煮る。肉が柔らかくなったら、室温程度に冷えるまで待つ。
4葉っぱ類を、フードプロセッサーで細かくする。
5器にごはんを盛り、肉・ブロッコリーミックスをかけ、最後に葉っぱのピューレをのせ、マルチ・ビタミン・ミネラル・サプリメントを加えて出来上り!
スープかけごはんが好きなネコ嫌いなネコ
福岡県福岡市の滝澤さん
あんず(8歳・メス・ミックス)チビ(8歳・メス・ミックス)
2匹ともドライフードを食べていたのですが、チビが9歳のときに結石症になり、獣医さんに処方食を出されました。
でも、なんとなくにおいに抵抗があったので、、その日から手づくり食を始めようとしました。
まずは、肉や魚のスープをつくってストックしておき、器にごはんを少々入れて、人肌程度に冷めたスープと肉をかけて、最後に、生野菜をフードプロセッサーで細かくしたものをのせてから、サプリメントを加えて出しました。
しかし、チビもあんずも、「なんだこりゃ?」という顔。
それでも、チビは食べてくれたのですが、あんずはフンッと2階へ行ってしまいました。
あんずはいつも食欲がある子ではないので、いつもの気まぐれと思い、スープもたくさんつくったので、次の日も同じメニューを出したのですが、また、あんずが食べないのです。3日目もあんずが食べず、4日目はついにチビも食べなくなりました。
そこで、魚のスープに変えてみたところ、これもチビだけが食べます。
今度はごはんと野菜に、肉を焼いたものをほぐして混ぜたら、2匹ともペロッと食べました。
特にあんずは、「こういうのを待ってたんだよ!」といいたげな顔。
以来、いろいろ試してみたところ、チビは肉のかたまりが好きで、あんずは肉のすり身が好きという好みの違いも発見。
そのときの体調にもよるのでしょうが、あれこれ考えるのが好きになりました。
結石症の再発も今のところないようですし、最近では台所に立つと「今日は何?」と猫たちが待つようになり、つくりがいもあります。
手づくり食は、本当に楽しいです。
違いがわかる12匹のネコたち
埼玉県比企郡の細川さん
ナナ(6歳・オス・日本猫)舞依(3歳・メス・ミックス) 夏・幸・鈴(1歳・メス・アメリカンショートヘア) 春 (1歳・メス・日本猫) 優(1歳・オス・日本猫)キキ・プー(7カ月・オス・日本猫) ジジ・美雨2(7カ月・メス・日本猫) ティー(5カ月・オス・日本猫)
うちの子たちは12匹とも、ブロッコリーと枝豆と栗が大好きです。
1匹がおいしそうに食べているのを見て、他のネコも食べるようになりました。
また、トマトも大好き。
メロンは皮まで食べます。
大丈夫なんだろうかと思いましたが、食べてはいけない食材ではなさそうですし、好物のようですからあげています。
こちらが偏見をもたずにいろいろあげてみると、ネコたちの好物はどんどん増えていきます。
納豆好きも数匹いて、とりっこしているくらいです。
パンも好きです。
特に自然食品店から買ってきた、全粒粉の食パンがお気に入り。
スーパーの食パンと、自然食品店で買ってきたのを並べると、間違いなく自然食品店の食パンを食べます。
さすが、おいしいものはちゃんとわかるんですね。
■けんちん汁おじや
家族の残りのけんちん汁または味噌汁(ネギ類でない具)
ごはん
煮干し
お茶の出がらし
だったんそば茶の出がらし
かつお節
わが家では、母がよくけんちん汁をつくります。
翌日は、人間もその残りにごはんを入れて、おじやにして食べます。
ネコたちには、それにごはんと水、煮干し、出がらしをそのまま加えて10分ほど煮て、仕上げにかつお節をふりかけると、おいしそうに食べてくれます。
■野菜たっぷり玄米おかゆ
冷蔵庫の葉っぱもの
根菜(カボチャ)
キュウリ、トマト
玄米のおかゆ
肉または魚
スープの素
かつお節
うちの子はなぜか、みんな野菜が好きです。
冷蔵庫に残っている野菜を細かくして、玄米のおかゆと肉または魚、スープの素と水を加えて煮ます。
かつお節を器の下に少々入れ、おかゆをかけて出すと、喜んで食べます。
ネコって、肉食動物だったよね?と疑問に思うところですが、みんな元気で長生きです。
■カルシウム対策
鶏ガラを4日ほど煮込みつづけると、骨がかなり柔らかくなって、ぐじゅぐじゅになります。
そうなったら、ガラの骨をハサミで細かく切って(のどに詰まらない程度の大きさに!これがポイント!)ごはんにのせて食べさせています。
私たちの食事で出てきた骨も、鍋に入れて煮込みます。
かなり使えます。
■おやつ
牛乳
骨つき鶏肉のミンチの生
ささ身ジャーキー (薄くスライスして干したもの)
ビーフジャーキー(薄くスライスして干したもの)
蒸かしたサツマイモ
生野菜(食べない子もいる)
■食材について
今までいろいろなネコやイヌと一緒に暮らしてみて、彼らの体は人と比べると本当に小さいので、毒素が少し溜まっただけでも、その影響はかなりあると確信しています。
家にあるものをなんでも刻んで煮込むというかなり適当なレシピの中でも、こだわっているのは食材です。
・お米はなるべく無農薬の玄米もしくは2~3分づき米を使う(わが家では、白米のごはんは年2~3回しかお目にかかれない)
・野菜はなるべく有機栽培のものを使う
・肉はなるべく抗生物質で育てられていないものを使う
・魚はなるべく食物連鎖の下のほうに位置するものを使う
・水道水は使わない
白身魚をトロ箱で仕入れます
福岡県北九州市の清水さん
カン(7歳・オス・日本猫) トラ (5歳・オス・日本猫) ウリ・メイ(2歳・メス・日本猫) ナナ(6歳・オス・日本猫)
うちの子たちは、白身魚が大好き!
水炊きにしても、焼いてもOKです。
でも、エイだけは嫌がって食べません。
特に魚の煮汁が大好きで、いつも「つゆだくさん」状態で与えるのですが、ペチャベチャと音を立てて一気に飲んでから、具を食べます。
野菜もよく食べます。
根菜をはじめ、レタス、キャベツ、白菜の葉野菜など、冷蔵庫にあるものを、時間のあるときにスライサーや包丁でみじん切りにして、混ぜ合わせてタッパーに入れて保存しておき、魚の煮汁に加えます。
ひじき・ワカメ・昆布などの海藻類も、細かく刻んでときどき入れます。
とにかくうちの子は、細かく刻めばなんでもよく食べてくれます。
ペースト状よりは、多少形があったほうがよいようです。
ときどき、寝坊して食べ遅れたり、そのときの気分で食べない子もいますが、他の子が残した皿に行って食べています。
最終的に食べ残しはないですね。
手づくりは1年以上続けていますが、みんな元気です。
■便利な自身魚ベース
カワハギ4匹
白身魚は水から、水分たっぷりにして煮込みます。
炊き上がったら、冷まして身をほぐし、煮汁と一緒にホーローの小鍋に入れ、冷蔵庫に保存。
冷えるとゼリー状に固まるのですが、食事のたびに大さじ5ほど(適当です)すくって、他の食材と混ぜ合わせます。
今はカワハギがブーム。
毎月市場の魚屋さんが仕入れて連絡をくださるので、トロ箱2杯(80~90匹くらい)を買って冷凍しています(最近、カワハギの値段が高騰して、入手がむずかしくなってきました……)。
■ミックスごはん
水炊きした白身魚(または牛肉約30gぐらい)
野菜、ニンジン、大根葉、ホウレンソウ、ブロッコリー、スプラウトなど、ネギ以外のアクの少ないもの
ごはんしゃもじ1杯くらい
卵の黄身
すこやかふりかけ
水炊きした白身魚を冷蔵庫からとり出し、煮汁ごと大さじ5ほどすくって、鍋に移します。
刻んで常備した野楽を、これまたカレースプーンで1杯ほど鍋に入れ、さらに卵の黄身と、ごはんをしゃもじ1杯くらい混ぜて煮込みます。
火が通ったら、冷まして、それぞれのお皿に盛り、出来上がり!
ささ身は大好きですが、歯ごたえのある砂肝は好きではないようです。
わが家では、ネコたちの「ごはんコール」が始まってから材料を混ぜて温めていてはとても間に合わないので、いつも魚の保存用と温め用に2つのお鍋を用意しています。
仕込むときは、温め用のお鍋で2食分をつくります。
つくりおきしておくと、お鍋を冷蔵庫からとり出して温めるだけでいいので、時間も手間も短縮でき、あまり待たせずにすみます。
おすわりするイヌみたいに待ちます
兵庫県神戸市の梅谷さん
すず(6歳・メス・日本猫) りん(4歳・メス・日本猫)
朝はキャットフードで、夜は手づくりしています。
最近、うちのネコたちは、野菜入りごはんをつくりはじめると、キッチンでおすわりして待ち、喜んで食べます。
最初は手づくりしても抵抗していたので、張り合いがなかったのですが、食べてくれるとつくりがいがあります。
でも、3、4日同じものが続くと、嫌々食べたり、食べなかったりします。
そうなると、ごはんを残して、キャットフードを催促。
それでもあげないでいると、ひどいときは噛みついて怒ります。
普段はとってもいい子なのですが、食いものの恨みは恐ろしいということでしょうか。
シーチキンをあげると食べたので、いつものささ身と野菜に混ぜてみたら、1匹はにおいをかいで全然食べません。
もう1匹も少し口をつけましたが、残しました。
もったいない!
2匹は食の好みが違います。
1匹は人間用に茹でたブロッコリーを盗み食いしたくらい好きで、もう1匹はレバーが好物。
手づくり食を始めてから、この子たちとの生活が、よりいっそう楽しくなりました。
わが家のレシピ
・ささ身・ミックス
ささ身 1本
葉っぱもの 冷蔵庫にあるもの
ごはん
かつお節
ささ身と野菜をフードプロセッサーで細かく刻んで、ごはんと混ぜて、かつお節をふりかけます。
ケンカばかりしていた2匹が仲よしに
東京都町田市の松村さん
ハスキー(14歳・メス・日本猫) チャッピー(4歳・メス・日本猫)
手づくり食を始めて1年以上経ちますが、一番効果があったなと思えるのが、2匹の関係。
それまで傷だらけのケンカをするほど仲が悪かったのに、1カ月ほどで仲よしになったのです。
これには家族全員、驚いています。
好きなものが食べられるということでしょうか。
手づくり食に変えたら、ストレスがなくなったような気がします。
うちの2匹のお気に入りはカジキで、喜んで食べます。
ささ身もOK。
ししゃもは塩抜きしてからあげていますし、サケもオーブントースターで焼くと、おいしそうに食べます。
マグロは、刺身やぶつ切りを軽く焼いたものを食べることもあります。
ただ、好きなものを続けていると飽きてしまうようで、その日によって食べるものが違うのでむずかしいです。
食事を変えて、毛並みがよくなり、1歳のハスキーの声がよく出るようになりました。
年齢が年齢なので、前のようにはいかないかなと諦めていましたが、最近また、おもちゃでじゃれて遊ぶようになったのです。
自分から「遊んで」ともってきて、投げてあげると走り回っています。
それに、白いヒゲから黒い毛が生えてきました。
水を変えてから気づいたのですが、若返ってるーと驚いています。
2匹とも乳腺腫瘍だったのですが、腫瘍が大きくなったとき、思い切って手術をしました。
手術後も、麻酔が覚めた直後から、ごはんを食べはじめ、病院の先生に驚かれたくらいです。
心配ばかりして、ネコたちのそばにつきっきりでしたが、それもよくなかったと気づきました。
私自身が外で楽しんで家に帰ってくると、ネコたちはいつもより元気なのです。
不思議ですが、飼い主が健康で楽しく暮らしていれば、ペットたちも元気でいられるような気がします。
飼い主の想いは、ネコに通じます。
病気であそこまでの状態になっても、今は見た目にはわからないほど回復しているのは、きっと家族みんなが一所懸命になったことが、ネコたちにもちゃんと伝わったという気がします。
今は、手づくりに変えてから血液検査もよくなり、その日の体調の変化もわかるようになってきました。
残念ながらハスキーは今年の1月5日に亡くなりましたが、残されたチャッピーと1日でも長く、一緒の生活が続けられればと思います。
わが家のレシピ
■魚ごはん
こうなご
しらす
ごはん
かつお節
茹でた魚
まず、こうなごや、しらすを湯がきます。
そして、少々のごはんにたっぷりのかつお節と茹でた魚を混ぜ合わせて出来上り!
グラタン皿に半分くらいずつ食べています。