キャットフードってなんですか
日本ではキャットフードがネコの食事として当然のように使われますが、キャットフードを使えるのは経済力のある国だけで、ほとんどの国では使いたくても使えない高嶺の花です。
キャットフードの中でも日本で一番多く消費されている魚の缶詰は、ほとんどが東南アジアで作られています。
缶詰工場で働いている女性たちが、日本で売られているキャットフードの値段を聞けば複雑な気持ちになるのではないでしょうか。
もちろん彼女たちのネコはキャットフードなどを食べることはできません。
彼女たちのネコは昔ながらの自然食で、外出自由なネコがほとんどです。
皮肉なことにキャットフードを買える国々の人たちは、自然指向が強くなり自然食や自由な生活にあこがれています。
言葉は言霊というように魔力があります。
キャットフードと名前がつけば、誰もが疑いもなくネコの食べ物と信じてしまいます。
そしてネコのことを考えて作られ、ネコの体に良いものと思い込んでしまいます。
しかし実際は人が食べる魚の缶詰に、ネコとラベルを貼ればキャットフードの完成です。
キャットフードというのはネコ用として売られている食物というだけで、安全とか栄養のバランスを考えているかどうかは、別の問題です。
日本のネコにとってキャットフードは必需品ですが、それを買ってくる飼い主はキャットフードについてほとんど知識がありません。
それというのも、日本で売られている人用の加工食品は、厚生労働省により安全性の基準が設けられ安全が守られているので、キャットフードにも同じシステムがあると思うのは日本人として当然のことなのです。
ところがペットフードには安全性をチェックする公的機関や規制はありません。
誰もが、いつでも、どこでも自由に作り売ることができるのがキャットフードという食べ物です。
ペットフードについてはイヌよりネコの方がこだわりが強いと言われています。
子ネコは初期の頃に食べたドライフードの感触、形にこだわるため、ペットフード会社もキャットフードの形にこだわります。
またあのドライの固さが好きで、ドライに水や軟らかいものを混ぜることも嫌いです。
缶詰などでは温度も重要な要素で、40℃くらいのネコの体温とほぼ同じ温度が一番好きです。
50℃を超すと食欲は落ちます。
キャットフードは少し知識があれば、便利で安くてネコが好きな食べ物です。
少し勉強して賢い消費者になりましょう。
キャットフードの社会学
キャットフードがネコの食事というのは今では当たり前になってしまいました。
ほとんどの人は何の疑いもなく、ネコの好みや価格を規準に選んでいます。
しかし、ちょっと考えると不思議な食べ物です。
乾燥したドライフードだけで飽きないのか、栄養的に大丈夫なのか、添加物は何なのか、誰がどうやって作っているのか誰も教えてくれません。
キャットフードがどうやって作られ、売られているか意外と知られていないのです。
今の日本のネコにはなくてはならない食べ物なのですから、少しは疑って知識をつけてみてはどうでしょう。
まずキャットフードの内容に入る前に、キャットフードの社会学について勉強をしてみましょう。
面白いことにキャットフードから日本という国、世界が見えてきます。
日本ではキャットフードは年間54万トン、 3千億円が流通しています。
これだけ売れているのですが監督官庁もはっきりせず、安全体制にも不備があり、ちょっと不安があります。
キャットフードも含めてペットフードは、ペットフード会社が集まってペットフード公正取引協議会を作り、公正取引委員会と協議のうえ自主規制しています。
規約はペットフード公正競争規約という何だか変な名前です。
公取委は商行為の監督官庁ですから、正しい競争をしましょうということなのでしょうが、安全性の確保には専門官がいるわけではなく不安が残ります。
人の食物で考えてみましょう。
食品の安全性は厚生労働省が管理していますが、これはあくまで人だけの話です。
そこで質問ですが、人の厚生労働省にあたる官庁は動物ではどこでしょうか?
家畜ということになれば農水省で、農水省には確かに、飼料課がありますが、ペットは管轄外です。
野生動物であれば環境食、天然記念物であれば文化庁、動物愛護からは内閣府が関与しますが、ペットフードは公正取引協議会が、ペットフードの安全性と販売について基準を決めています。
ただ入会は任意で強制されません。
日本で流通しているペットフードの90%は会員の会社で作られていて、自主規制の効果はあるということになっています。
ネコの食事は手作りの自家製でという人もいますが、自家製ということになれば材料は人の食物で作ることになります。
日本は人の食べ物だけでも自給率30%などと言われ、世界中から食物を集める消費大国です。
ペットの食べ物くらいはあまりよその国の人に迷惑をかけたくないものです。
ペットフードの材料は原則として人が使わない部分、つまり家畜なら内臓肉のように廃棄される部分を利用します。
食物材料を無駄なく使う良いシステムだと言えます。
材料が何であれ栄養的に優れ、ネコが喜んで食べ、安全で安価であればキャットフードに問題はありません。
安全なキャットフードが提供されるよう努力する必要はあるでしょう。
キャットフードのラベル学
キャットフードのラベルには人と同じように様々な情報が記載されています。
もっともラベルを見る人はほとんどいませんが、もし暇があれば少し観察してみてください。
10種類のラベルがあれば1時間くらいは楽しめます。
表示しなければいけない項目の中からいくつか説明してみましょう。
総合栄養食
ネコの栄養学にもとづいて成分が調整してあり、フードと水だけで健康的生活が維持でき子孫を残せ、一日の食事として与えることを目的としているものです。
いつも与えるフードにこの表示があるどうかチェックしてください。
製造年月または賞味期間
賞味期間はおいしく食べられる期間。
通常製造から1年間で、3年を越えて表示しないようになっています。
ただし、これはあくまで開封するまでの期間で、開封すれば品質は急速に劣化します。
ドライフードでも1カ月以上は置かないようにしましょう。
製造年月は年、月の順に記載しますが、アラビア数字とアルファベットの組み合わせでも可能です。
原産国
原産国はそのキャットフードを最終的に作った国で、日本のように原料がすべて輸入品でも日本で作ればメイドインジャパンです。
会社はアメリカ、原産国はニュージーランド、販売は日本なんて当たり前の世界です。
ペットフードの材料は安くて豊富な国を求めて世界中から集められます。
つまり原産国表示はその国でパックしたというだけの話です。
魚の缶詰などは日本の会社の製品でも、大部分はタイやフィリピンで作られています。
原材料
原料は多いものから順に記載し、その合計が80%以上にならなければいけません。
単品で10%以上含まれていれば必ず記載します。
マグロ、ビーフなどと商品名にする場合は10%以下でも記載しなくてはいけません。
つまり看板にいつわりがあってはいけないということです。
成分
カロリーがある栄養成分としてタンパク質、脂肪が記載されていますが、炭水化物は重要ではないと考えられ、多くの場合記載されていません。
炭水化物の量は記載されている成分を100から引けば出ます。
そのほかに灰分、繊維などが記載されています。
添加物については記載されていません。
外国産の場合、同じ商品ならどの国でも同じ成分と思ってしまいますが、同じ商品でも国によって違いがあることがあります。
必要量
カロリー計算で食べさせる目安を表示しますが、実際はそれほど表示には意味がありません。
太らないよう痩せ過ぎないように食べさせるのが原則で、食べる量はネコ自身が決めます。
ただ、避妊や性格などからコントロールできないことがあると、飼い主が量を加減してあげる必要があります。
記載されている必要量の基礎的データは、欧米で研究されているもので、なぜか日本のネコに当てはめると量が多すぎるようです。
またネコといっても活発なネコ、避妊、老齢、妊娠など多くの条件があり、それらをすべて記載することは不可能です。
内容量
もちろん中身だけをグラム、g、などで表示しますが、缶詰などは水分量を引かなければ正確な量は出ません。
水も重さだということを忘れないでください。
製品の比較をするときは水分をはぶいた乾燥重量で比較します。
キャットフードの種類
ペットフードコーナーにはたくさんの種類のフードがあり、まとめて説明することなどとうていできません。
説明しやすいように分類しましょう。
もっとも分類にもいろんな方法がありますが、分類することにより何かが見えてこなくてはいけません。
レーションとアラカルト(ウエット)
キャットフードにはレーションタイプとアラカルトタイプがありますが、簡単に説明すれば成分をバランス良く調整しているものがレーションタイプで、食事でいえばディナーです。
それに比べ素材そのままの単品料理がアラカルトで、それだけでは栄養が偏ってしまいます。
レギュラーとプレミアム(ドライ)
レギュラーフードはスーパーやホームセンターなどで売られているキャットフードで、普及品というべきものです。
それに対して主にプロショップといわれる、ペットショップや動物病院で扱われているのがプレミアムフードです。
プレミアムフードは品質が良いことは当然ですが、価格ももちろん高くなっています。
プレミアムフードはすべて成分が調整されているフードですが、なぜか嗜好性に欠けるところがあります。
最近は量販店でも販売されていますが、まだ販売店が限定されていて買いにくいのが欠点です。
プレミアムフードのほとんどは外国製で、代理店から販売されていて、そこは日本語のラベルが表示されています。
平行輸入のものがディスカウントショップなどに並びますが、英語の表示だけで製造年月などがわかり難くなっています。
また、輸入販売が自由なので、ペットフード公正取引協議会に加入しなければ何の制約もありません。
かなり言いたい放題の販売もあり、消費者として賢い判断が必要です。
目的別フードのいろいろ
すべてのネコが健康というわけではなく、多くのネコはなにかと健康状態に不安をもって生活しています。
病気なら療養食がありますが、病気ではないけれど不安があるという場合もあります。
その中で一番多いのが肥満の問題でしょう。
肥満
動物病院で扱われているフードは、維持用を追い抜いて肥満用が一番多く売れています。
そのくらい肥満が多いということです。
動物病院でなくてもどこでも肥満用のフードは売られていますが、肥満用といっても含まれているカロリー量はいろんなランクがあり、効果の大きいものも効果の少ないものもあります。
歯垢予防
歯垢予防だけを目的としたフードは動物病院にしかありませんが、歯垢予防効果を目的とした添加物を含んだフードがいくつもあります。
しかし、あくまでもメーカーが言っているだけの話で、客観的な評価の対象とはなっていません。
成分に歯垢予防の効果のあるものが含まれていても、本当に効果が出るだけ含まれているのか、またどのくらい食べると有効なのか資料は公開されていません。
低マグネシウム
ネコの病気は泌尿器にかかわるものが多く、その代表が慢性腎不全と下部尿路症候群です。
下部尿路症候群はキャットフードに原因する病気で、その予防を考えて成分調整したものはこの病気になりません。
原因は弱酸性が正常なネコの尿がアルカリに傾く、ストルバイトという結晶ができるといったことです。
そこで尿がアルカリにならないようにする、結晶ができないようにすることが行なわれています。
ストルバイトの主成分はマグネシウムで、 マグネシウムの量を抑えればいいことはわかっています。
しかし、マグネシウムの量を抑えることはコスト的に大変で、価格競争の厳しいペットフードの世界では満足のいく商品を作ることは困難です。
これが人の病気ならにマグネシウムの上限が決められ安全の確保がはかられるでしょう。
低マグネシウムと記載されていて も、効果的なほど抑えられているという意味ではありません。
やや低いものから、効果的な低さのものまで様々です。
なぜ危険なフードが作られるかと言えば、多くのネコはこの病気にならないからです。
しかし、最近ではこの病気の来院率が多くなっていますから、レギュラーフードの品質に問題が多くなっているのではないでしょうか。
安く安全なフードを手に入れることは困難です。
免疫強化
最近、免疫強化を表示するフードが増えてきました。
医食同源という言葉があるのですから、もともとキャットフードはそのように作られているはずです。
もちろん免疫強化に効果のある成分が添加されているということですが、これはもう限りなく数の多い世界で何を添加しても表示できることになりかねません。
歯垢の項でも触れましたが、消費者の厳しい判断が過剰な表示に効果的です。
流動食
動物病院では食べることのできないネコのための流動食がいくつか置いてあります。
腎不全用とカロリー補給用の二つの種類があります。
年をとったネコ、また何かの理由で食べられないネコに使うといいでしょう。
流動食だけで数年間生きているネコもいます。
粉を溶かして使うもの、缶に入っていてそのまま使うものもありますが、粉の方が使いやすいようです。
動物病院専売用
動物病院で扱われているフードです。
動物病院で扱われているからといって、すべて病気用のフードではありません。
動物病院の経営も大変で収入源の確保を常に考慮していて、その中でもフードの扱いは次第に増えています。
メンテナンス、維持用のフードも数を増しています。
これらのフードは動物病院以外でも買える品質のものです。
もちろんすべてプレミアムフードで品質が確保されているのは言うまでもありません。
しかし同等の品質のものがペットショップやホームセンター、スーパーなどで安く売られています。
水分量による分類
これは最も一般的な分類で、水分量の違いが形や包装の違いになります。
早くいえば乾燥した豆のようなフードがドライで、缶詰がウエット、日本ではほとんど使われてない軟らかなソフトタイプがセミモイストです。
ドライフード
水分が10%くらいで、乾燥させることにより保存性を保っています。
人からみるとすごくまずそうに見えますが、なぜかネコはこの乾燥したフードが好きです。
ネコ用ドライフードの多くは表面がザラザラしていて、それがネコにとってはたまらない魅力のようです。
ドライフードは原材料を混ぜて発泡させ、その上に匂いや必要な成分をスプレーでかけて乾燥させたものです。
セミモイストフード
水分が25~3%くらいで、肉の色をした柔らかいフードです。
原材料を混ぜ押し出すところまでは同じですが、発泡させないところが違います。
日本ではドッグフードではかなり流通していますが、キャットフードではあまり流通していません。
ウエットフード
缶詰やレトルトで水分が70〜80%を占めています。
魚の缶詰が一番なじみがありますが、ネコはタンパク質や脂肪の要求量が高いので、肉や魚をそのまま詰めたんじに、アラカルトっぽく仕上げてあるのが特徴です。
その他
おやつ的なものから、ネコ用煮干し、補助食品とペットフードコーナーにはいろんなものが並んでいます。
ネコ用というのはあくまで売る方の都合ですから、思い付きで売ってもかまわないわけです。
買う方がしっかりしないとかえってネコの健康を損ないます。
ドライフード
水分が10%前後と少ないということは、少し食べれば栄養が足りるということです。
少ししか食べないとお腹が空くのではないかと思いがちですが、カロリーの高い食物は、少ししか食べないのが動物の知恵で、人はその知恵を失いつつあります。
ドライフードの中にもレギュラーフードとプレミアムフードがあり、成分にかなり差があります。
この二つはどこが違うか比べてみましょう。
フードの成分比較には二つの方法があります。
水分を含んだままの比較と、水分を除いた乾燥重量の比較です。
本当に成分を比較するには水分のない乾燥重量や、消化率を加えた比較でなければいけないのですが、実用的にはそのままの比較が便利なので、水分を含んだままで説明します。
ドライフードのエネルギーは100gあたりレギュラーフードでおおよそ300キロカロリー、プレミアムフードで400キロカロリーあります。
この差はどこにあるのでしょうか。
タンパク質は30%前後以上とそれほど差がありませんが、脂肪はレギュラーが10%前後なのに比べ、プレミアムは20%前後と倍くらい違います。
脂肪が多いとカロリーが過剰傾向にある日本人は悪い方にとりますが、ネコは脂肪を多く必要とする動物で、多い方がネコに好ましいフードと言えます。
ではレギュラーにも脂肪をたくさん混ぜれば良いと思うのが素直な考えですが、もちろんそんなに簡単なら誰でも脂肪を混ぜます。
脂肪にもいろいろあって、酸化しにくい動物性の脂肪はコストがかさみます。
さらに脂肪が多いほど酸化防止の技術が求められ、酸化防止のコストがかさみます。
微量成分にも違いがあります。
ネコで一番問題になるのは、泌尿器症候群 (FUS) にかかったネコは食事中のマグネシウムを少なくすれば再発予防できるということです。
レギュラーフードでは特にマグネシウム含有量は配されておらず、含有量の高いものが多いのですが、プレミアムフードではマグネシウム含有量が100キロカロリーあたり20mg未満になるよう調整されています。
もちろんマグネシウの少ない原材料の方が高いという単純な理由からです。
一方、塩分はプレミアムが0.5%なのにレギュラーは1%以上と高い傾向にあります。
プレミアムの0.5%は実際の含有量と大きな差はありませんが、レギュラーの1%は、実際は1%以上で2%以上のこともあります。
これは塩分が高いと嗜好性が高まるという理由もありますが、水をたくさん飲ませマグネシウムの濃度を下げるという意味もあります。
成ネコの病気で一番多いのは慢性腎不全で、中年以上のネコはほとんど異常があると思ってもいいくらいです。
症状が表れ腎不全と診断されたら塩分のコントロールが必要で、レギュラーフードの中で塩分の多いものは使えません。
人の舌が塩分の量を計るのに一番適しています。
ドライフードはウエットや肉、魚などを混ぜることを前提に作っていますので、バランスを壊さないように2割前後まで混ぜてもかまいません。
混ぜるときは良くかきまぜてください。
ウエットフード
ウエットフードは、ネコ缶と言えばわかりやすいでしょう。
水分が70~80%で一番の成分で、ネコは水の摂りかたが下手ですから魅力的な食べ物です。
加熱密閉することにより保存するわけですから、保存のための添加物を使う必要はありません。
原材料も保存のむずかしいドライでは制約がありますが、ウエットは幅広く何でも使えます。
しかも軟らかく消化も良いのですが、ウエットだけでは歯に刺激がなく、顎の力が弱くなり歯石が着きやすくなります。
ウエットだけでなくドライを別にあげたり、ドライの中にウエットを混ぜることをしてください。
ウエットの水分が多いということは、ドライに比べてカロリーが低いということで、カロリーあたりの価格は高くなります。
さらに今の日本では製造コストに比べて、輸送コスト、流通コストが高く、水分を運ぶウエットは不利です。
ドライフードが日本や欧米の工場で作られているのに対して、ウエットの代表である魚のネコ缶のほとんどは東南アジアで作られています。
欧米で作られているネコ缶の原料は魚より肉を使うことの方が多いようです。
ウエットの特徴は水分が多いため、100gあたりのエネルギー量がドライに比べて50~100キロカロリーと低いことです。
つまりドライよりたくさん食べなくてはいけません。
たとえば普通サイズの缶だと内容量は170~180gですから一缶あたりのカロリーは100~150キロカロリーにすぎません。
ネコの必要カロリーを体重1㎏当たり80キロカロリーとすると、4㎏のネコでは320キロカロリーが必要になります。
1日2、3缶が必要になりますが、とてもそんなには食べられません。
ドライでカロリーを補給するか、カロリー量の高いネコ缶を使ってください。
成分の特徴はレギュラーの脂肪量が0.5~6%と大きい差があることです。
悪いことに2%以下のものが多く、プレミアムの6~7%に比べると極端に少くなっています。
これでは高いエネルギー量のフードになりません。
マグネシウム含有量もレギュラーでは特別配慮されておらず、高い値を示すものがありますが、プレミアムでは100キロカロリーあたり20mg未満になるよう低く抑えられています。
タンパク質については10%以下から25%前後とレギュラーは大きく違いがありますが、どちらかと言えば20%前後と多いものがほとんどです。
それに比べプレミアムは10~15%と過不足なくまとめられています。
この違いは魚をそのまま原料として使うところにありそうです。つまり、脂肪が少ない部分を使えば、脂肪が少なくタンパク質の多いネコ缶ができるわけです。
一番覚えていてほしいのは、ネコ缶は種類により成分に大きい違いがあり、プレミアムフードでない限り同じものだけを使わないことです。
日本で多く使われているネコ缶は、マグロやカツオがほとんどですが、これらの魚は酸化しやすく、そのためにビタミンEが添加されています。
それでもビタミンE欠乏を起こすことがあります。
年に応じて
キャットフードも今ではミルクから離乳食、子ネコ、成ネコ、老ネコ用と生まれて年をとるまでのライフサイクルに合わせて揃っています。
動物病院に行けば肥満用を始め、病気のときのための食事もたくさん扱われています。
あまりにも種類が多く、おそらく日本で発売されているすべての処方食を揃えている病院はないと思います。
ミルク
ネコ用のミルクは哺乳だけでなく子ネコの離乳食、成ネコの食欲不振など幅広く使われています。
原料はもちろん牛乳ですが、ネコからは遠くかけ離れた動物の母乳なのでそのままでは使えません。
成分を比べてみるとかなり違うことがおわかりになるでしょう。
ウシに比べるとイヌやネコは成長が早いためか成分が濃くなっています。
イヌとネコではイヌの方がタンパク質、脂肪共に多く含まれています。
いずれにしても牛乳そのままでは量的にネコにとっては栄養不足になります。
子ネコのキャットフード
子ネコのフードが成ネコのフードより栄養的に密度が高いことは誰にも容易に理解できます。
ではどのくらい違うのでしょうか。
あるプレミアムフードの子ネコ用と維持用のフードの成分を見てみましょう。
成長期の食べ物はタンパク質、脂肪、ミネラルなどが豊富に含まれています。
逆に炭水化物は成ネコの方が多くなっています。
人の食事と同じことがネコにも当てはまるわけです。
老ネコ用のフード
人と同じでネコも若い時の食べ物が口に合わなくなるようで、今まで食べなかったものを食べたり、逆に食べなくなったりします。
老ネコの特徴は、ほとんどのネコが慢性腎不全にかかっていることで、腎不全のための食事管理が必要になります。
もちろんカロリー要求量が減ることは言うまでもありません。
成ネコと老ネコに使われるフードとして使われることの多いものを比較してみると、タンパク質と脂肪の量が逆になっています。
また、塩分の指標になるナトリウムが、老ネコ用では低くなっています。
キャッフードのラベルに表示しなければならない項目
ドッグフードかキャットフードかはっきりさせる
ペットフードの目的(総合栄養、一般食、間食など)
内容量
給与方法
製造年月または賞味期間
成分
原材料
取り扱い会社