キャットフードの上手な与え方

キャットフードの上手な与え方
栄養と嗜好、経済性で選ぶ
3タイプ
市販のキャットフードは、ドライタイプ、缶詰タイプ、半生タイプの3種類です。
素材、カロリー、猫に必要な栄養素などが充分考えられているので安心です。
表示された量と回数、賞味期限を守って与えます。
猫は偏食の傾向が強いので、子猫のうちから複数の味に慣れさせておきましょう。

ドライタイプ: 栄養バランスがとくに優れ、安価、日もちのよさでもっとも普及しています。
硬いので歯石の除去の効果もあります。
子猫や老猫にはぬるま湯や温かいミルクでふやかして軟らかくします。

缶詰タイプ: 単一素材のものと複数素材のレーションタイプがあります。
味、ニオイがいいので、食欲のないときにおすすめ。

半生タイプ:上2つの中間的フード。
ドライフードに飽きたときの気分転換に。

新鮮な水をいつも用意しておく
・水は体に必要な栄養素
猫は犬に比べて飲む水の量も少なく、排尿も少ない動物です。
とはいえ、生き物である以上、水はもっとも重要な栄養であり、これを欠かすことはできません。
猫が水分をとる場合、直接水を飲む方法と食べ物からとる方法があります。
ミルク中心の子猫や水分の多い缶詰食中心の猫と、水分の少ないドライフードを食べている猫では、摂取する水の量はかなり異なります。
ドライフードの場合は、水を充分に与える必要があります。
水はフード、ミルクとは別に専用の食器に入れ、毎日新鮮なものを、好きなだけ飲めるようにしておきましょう。

キャットフードの3タイプ

ドライタイプ(水分約10%)
・栄養バランスがよく、成猫向き
・安価で経済的、開封後も保存がきく
・歯垢を付着させにくい
・分量を調整しやすく、日もちがよい
・新鮮な水を必ず与える
・味が単調なので、飽きやすい
・ややニオイが強い

缶詰タイプ(水分約75%)
・種類が豊富で美味
・栄養価が高く、消化吸収がよい
・使いきりのレトルトパックもある
・値段が高め・カロリーが低い
・単一の素材のものは常食に不向き
・開封後、当日中に食べきる

半生タイプ(水分約25%)
・ドライと缶詰の中間タイプ
・栄養バランスがよく、老猫や子猫の離乳食に向く
・開缶後、放置すると固まる
・乾燥・腐敗防止の添加物使用

●ドライタイプ
カリカリした歯触りを好みます。
老猫には猫用ミルクでふやかしたものを。

●缶詰タイプ
開缶後の残りは別の容器に移して冷蔵し、その日のうちに使い切りましょう。

●半生タイプ
ずっとドライタイプだった 歯の弱ってきた老猫にも。

猫に食べさせてはいけないものX・食べさせ過ぎてはいけないもの△

× ネギ・タマネギ
ネギ類には、溶血性貧血を引き起こす成分が含まれます。
ハンパーグやシュウマイなど調理した食品に少量混ざっている場合でも、与えてはいけません。

× 鶏や魚の骨
骨は口の中やノドを傷つけたり、刺さる危険があります。
鶏の骨は、飲みこんで腸や肛門をふさいだり、噛むと細く割れるため魚の骨同様に危険です。

X アワビ・サザエなど
貝類の内臓(わた)に含まれる有毒成分は、猫の皮膚に炎症を起こさせます。

× 危険な植物
観葉植物には、皮膚の炎症、吐き気、下痢、痙攣などを起こさせるものがあります。
シクラメン、ポインセチア、ポトス、アロエ、アザレア、プリムラ類など。

△ 塩分・糖分
塩分過多は、腎臓や心臓に負担がかかり、糖分は虫歯と肥満、糖尿病の原因になります。
基本的に調味料は不要です。

△ イカ・タコ
消化が悪いので、食べ過ぎは下痢になります。
とくにこれらの生は、取りすぎると体内のビタミンB1が破壊されて、筋肉痛や腰痛を起こします。
加熱したものを少量なら大丈夫です。

△干物
さきイカや干し物の珍味などは猫の大好物ですが、塩分も強く、胃の中で水分を吸収して膨らみ、急性胃拡張を起こします。

△ かまぼこ・ちくわ
練り製品に多く含まれるリンと、体内のカルシウムとのバランスが崩れ、カルシウム不足に。

△ 牛乳
乳糖の消化力が弱く、下痢を起こす猫がいます。
そういう猫には猫専用ミルクを。

年齢に合った食事メニュー
発育期・成猫期・老猫期
・食事は決まった時間に与える
成猫に1日に必要なカロリーは、体重1kgに対して70~85kcalです。
年齢、運動量、妊娠などによって変り、もっとも栄養を必要とする10週齢ころの子猫と授乳期の猫は、体重1kgに対して250kcal、成婚の3倍前後必要です。
子猫、老猫、妊娠子育て中の猫を除いては、1日に朝晩2回、決まった時間に与えることが健康の秘訣です。
一度にたくさん与えて長時間食べさせたり、不規則な食事時間は偏食、食欲不振、肥満につながります。

・生後2~12ヵ月の発育期
活発に動き、骨や歯が成長する時期です。
良質なタンパク質、カルシウム、ビタミンを多く含む食事を1日に朝晩2~3回、おやつに猫用ミルクを飲むだけ与えます。
ドライフードに缶詰を混ぜたり、味付け前の家族のおかずを混ぜたりして、いろいろな味に慣らします。

・成猫期
生後1年で成猫(18歳)になります。
運動量や季節などによって食べる量にムラが出やすい時期なので、体調維持に気をつけます。
キャットフードのメーカーや種類を変えて、変化のある食事を。

・老猫期
生後7年ころから、ゆっくりと老化が始まります。
14~15年目ころから動きも鈍くなり、歯と胃腸も弱ってきます。
軟らかく、消化のよいのを、回数を増して与えます。
猫用ミルクでふやかしたドライフード、半生タイプ、ペーストタイプの缶詰が向きます。
とくに消化のよい7歳以上用、10歳以上用の老猫向けキャットフードも市販されています。

猫に必要な基本栄養素
●タンパク質
筋肉をつくる動物性タンパク質はとくに重要です。
アミノ酸の一種のタウリンを体内で合成できないので、キャットフードにはタウリンが配合されています。
欠乏すると、視力障害、心筋症、繁殖障害などの原因に。

●脂肪
エネルギー源、被毛の育成に欠かせません。

●ビタミン
猫に必要なのはビタミンA・B1・E。
ビタミンCとKは体内で合成できます。

●ミネラル
カルシウムとリンは骨や歯をつくる大切な栄養素。
ただし、リンの過剰摂取はカルシウムが失われます。
練り製品に多く含まれているので、食べさせすぎには注意。

変不化物はエネルギー源の一部にはなりますが、米肉食なので、必ずしも必要ではありません。

★炭水化物はエネルギー源の一部になりますが、本来肉食なので、必ずしも必要ありません。
★マタタビは昔から猫の大好物といわれ、これを与えるとお酒に酔ったようになります。
マタタビに含まれるラクトン、アクチニシンという物質が、猫の連動神経を一時的に麻痺させるためです。

肥満は万病のもと
●間食やおやつの与え過ぎ、運動不足が原因で肥満に悩む猫が増えています。
人の中年期に相当する5、6歳ころから新陳代謝が20%ほど減少し、運動量も減るため、肥満の傾向が出はじめます。
ですから、それまでと同じだけの食事量を取っていれば、体重の増加は人も猫も同じ。
「触っても肋骨がわからず、腰のくびれがゼロ」は危険区域です。
とはいえ、むやみに食事量を減らしてはストレスが溜まって逆効果です。
心を鬼にして間食はさせず、糖質、脂肪を押えた低カロリーのキャットフードに切り替えましょう。
一緒に遊ぶ時間を増やしたり、上下運動ができる遊具を工夫してあげてください。

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